『水曜日のダウンタウン』でのブレイクが目覚ましい安田大サーカス・クロちゃん。すでに芸歴22年の中堅だが、実はもともとアイドルになる予定で、まさかお笑いの道に進むとは思っていなかったという。
最新刊『日本中から嫌われている僕が、絶対に病まない理由 今すぐ真似できる! クロちゃん流モンスターメンタル術30』を出したばかりの本人インタビューを通じて、アイドルを夢見る男の子が「クロちゃん」になるまでの軌跡を追った。(全2回の1回目/後編を読む)
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アイドルになりたかったのに「騙された」
――元々アイドルになりたくて、お笑いをやる予定ではなかったそうですね。
クロちゃん 全然なかったです。
僕は、何か子供が喜ぶ仕事に就きたいと思って、短大では実習にも行っていました。そこで出会った子供たちが、僕がアニソンを歌った時、めちゃくちゃ喜んでくれたんです。元々アイドルに憧れていたこともあり、そこで歌を仕事にしたいという気持ちが芽生えました。
とはいえ、ジャニーズのような男性アイドル路線ではありません。男×高い声を武器に、「新しいアイドル像」を模索したかったんです。
そんな時、短大時代の友達が、松竹芸能に「アイドル部」が発足すると教えてくれて、受けたら合格。これからアイドルに向けて、色々なレッスンが始まるのかなと期待に胸を膨らませました。
でも行ってみたら、まずやらされるのがネタ見せ。先生には「なんでネタを作ってこんねん」と怒られる始末で、「あ、騙されたんだな」と……。
「まずは1回やってみろ」マネージャーに脅されて安田大サーカス結成
――想像していたものと違った。
クロちゃん 違うので、「辞めます」と言ったら、「アイドルユニット組ませてやるから」と引き止められました。当時(2000年頃)はモーニング娘。の全盛期。自分もそうなれるのかなと思って、集合場所のファミレスに行ったら、HIROくんがいました。
当時HIROくんはロングの金髪で、肌も黒かったから、僕、トンガのおばちゃんだと思ったんですよ。しかも全然喋らない。コミュニケーションどうやってとったらいいのかな? なんて考えていたら、続けて団長が現れました。そこで団長に「歌とか得意なんですか?」と聞いてみたら、団長は困った顔で「カラオケ程度……」って不思議そうにするんです。
2人の様子を見て、さすがにこれはアイドルユニットではないと察しました。団長はお笑いのつもりだし、HIROくんはハンバーグを食べたいだけだったんです。そこで僕は再び「やりたくない」と言ったのですが、マネージャーが、まずは1回やってみろと。もはや“脅し”です(笑)。