持ち上げられる居心地の悪さ
――今回の演出を担当されている福島(明)さんもそうですが、お笑い感度が高い業界の方がみんなダウ90000に注目されています。
蓮見 ほんとにありがたいことですよね。
――正直どうですか……持ち上げられる、居心地の悪さみたいなものも感じますか。
蓮見 ずっとありますよ。天才だったらこんなに寝不足にはならないですよね(笑)。意外と体力あったのも恥ずかしいし。無理してやってみて全然大丈夫だったりするんで、それも悔しいし。
――ああ、ちょっと虚弱な天才のイメージ(笑)。
蓮見 今のところほんと寝不足のまま長生きしそうなんで。そういう僕を見て、同じような経験をしてきた先輩がアドバイスくれるんです。かが屋の加賀さんは「絶対落ち着くタイミングが来るし、その時からが勝負だから、そこまではやれることをやってれば大丈夫だ」って言ってました。
自分が好きな人たち……それこそひとりさんもそうだし。自分が面白いなと思うものを作ってきた人に面白いって思ってもらえるということは、見てきたもののエッセンスをちゃんと吸収してこれたんだろうなと。それはすごくうれしいし、褒められてすごくありがたい上で、でも「あなたたちに憧れてやってるんだから、それはそうでしょ」って(笑)。
実力で出てきた集団ではない怖さ
――それは面白いと思うでしょう、という(笑)。
蓮見 そうです。こっちはあなたたちの作っているものに憧れてやってるんだから(笑)。新しいことをやってると言ってくれますけど、別にそんなことないんです。いろんな人のものが混ざってるだけで。「新進気鋭」とかそろそろ取れたらいいなと。
そもそもNHKでひとりさんとコント番組やるなんてとんでもないことなんですよ。いろいろなタイミングと、好きって言ってくださる方のおかげでやらせてもらえてる状態。満を持して実力でドンと出てきた集団ではまだまだないので、そこの怖さはずっとありますね。
――でも男女半々の構成とか、意外とお笑いが今までできなかった座組だと思うので、やっぱり新しさはあると思います。
蓮見 新しい感じはしますよね。でもそんなつもりもなかった。男女のどっちかが多いほうが作りやすいなとは思ってたから、4:4になって、やベえなと(笑)。でも結果、全部いいほうに転がったのでよかったんですけどね。