文春オンライン
「とがっとった時期も、自分が嫌いだった時期もありましたよ」 矢部太郎45歳が102歳哲代おばあちゃんに聞いた、“欠けた気持ち”の晴らし方

「とがっとった時期も、自分が嫌いだった時期もありましたよ」 矢部太郎45歳が102歳哲代おばあちゃんに聞いた、“欠けた気持ち”の晴らし方

石井哲代×矢部太郎

2023/03/27
note

腹が立ったときはどうするんですか?

哲代 今更ね、恐い顔もできんようになってしもうて。

矢部 嫌なことがあって、腹が立ったときはどうするんですか。

哲代 黙って唾を三回飲む。黙っとりゃそのうちに収まりますから。あとはノートに書く。寂しさ、悔しさ、不安を感じたときにね。

ADVERTISEMENT

©文藝春秋

矢部 書くとやっぱり気持ちが整いますか?

哲代 そうですね。負の気持ちを誰かに渡したら、受け取った人が困るでしょ。自分で処理せんと。そうやって煩悩や妬みを手放して、その代わり「ああ、嬉しい」「ああ、おいしい」と大きな声に出して、楽しい瞬間を存分に味わっているんでございます(笑)。

矢部 哲代さんは、お話も面白いし、聞き上手でもありますね。

哲代 そんなに褒めんで(笑)。

矢部 今日はいいお話をいっぱい聞くことができて、本当に楽しかったです。ありがとうございました。

哲代 遠くから来てくださってね、ありがたいことです。

石井哲代/いしいてつよ
1920年生まれ。20歳で小学校教員になり、56歳で退職後は畑仕事に勤しむ。26歳で同じく教員の良英さんと結婚。2003年に良英さんが亡くなってからは一人暮らし。100歳を超えても元気な姿が中国新聞などに紹介されて話題に。

矢部太郎/やべたろう
1977年生まれ。芸人・マンガ家。1997年に「カラテカ」結成。『大家さんと僕』(新潮社)で第22回手塚治虫文化賞短編賞受賞。近著に『マンガ ぼけ日和』(かんき出版)、『楽屋のトナくん』(講談社)など。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。

「とがっとった時期も、自分が嫌いだった時期もありましたよ」 矢部太郎45歳が102歳哲代おばあちゃんに聞いた、“欠けた気持ち”の晴らし方

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春WOMANをフォロー