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 実はこの厚木市では「子育て・教育環境日本一」を目指し、さまざまな取組を行っているという。紙おむつ等の支給や、中学生まで医療費助成などの支援を実施し、「共働きしながら子育てしやすい街」として全国トップクラスの評価を得ているそうだ。公園の様子を見ると、それらの取り組みが実っているように思えた。

市役所近くの住宅街(清談社提供) 
相模川を橋で渡ると隣接する海老名市に入る(清談社提供)

「あらゆるものが程よい距離にある街」

 約半日、本厚木駅周辺を歩いてみて、ファミリー層が多く、生活に必要な環境が整っているのはよくわかった。しかし、それだけで“借りて住みたい街”のナンバー1に君臨できるものだろうか。実際に住んでいる人に聞けば、本厚木の違う一面が見えてくるかもしれない。

 本木美香さん(仮名・30代)は現在、駅から自宅まで徒歩25分(自転車10分)のエリアで、8.3畳の1DKでバストイレ別、共益費込み5.7万円の賃貸マンションに住んでいるという。

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自然豊かな本厚木の景色(本木さん提供)

「仕事の関係で、7年前に本厚木に引っ越してきました。駅から距離はありますが、自転車を使っているので通勤は苦になりません。ただ、本厚木は駅から離れれば離れるほど坂が多くなるので、ギリギリ坂を登らずに済むエリアを中心に物件を探しました」

市街地を離れるほど高台になる本厚木(本木さん提供)

 本厚木では通勤路に坂道があるか否かも、賃貸物件選びのポイントになるという。筆者が歩いた平坦な駅周辺だけではわからない地域事情だ。本木さんに本厚木の魅力を訊くと、ひとつは「適度な距離感」と答えてくれた。

「本厚木の駅前は栄えてますが、なんでも揃うというよりは“ある程度のものが揃う街”です。街にはシネコンがないので、映画を見るときは隣市の海老名駅に出ますが、不便さは感じません。それに、新宿まで50分ほど、横浜も40分ほどで行けるのはちょうどいい距離感だと思います。メインで使う電車は小田急線ですが、千代田線にも接続してるので表参道や明治神宮、銀座方面にも出やすくて助かります」