不動産・住宅情報サービスを展開する「LIFULL HOME'S」が毎年発表している「首都圏版 借りて住みたい街」ランキング。これは「LIFULL HOME'S」に掲載されている賃貸物件のうち、実際に検索・問い合わせが多かった駅名に順位をつけたものだ。

 そして、このランキングで3年連続1位を獲得しているのが「本厚木駅」。本稿では、多くの人が「住みたい」と感じている本厚木の魅力に迫る。

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 神奈川県厚木市にある小田急小田原線の本厚木駅。同駅は、コロナ禍真っ只中の2020年4月~8月にLIFULLが集計した「コロナ禍での借りて住みたい街ランキング」で初めて1位を獲得した。

 ランキングタイトルにあるように、本厚木がトップに躍り出たきっかけは、コロナ禍にある。コロナ禍でテレワークやオンライン授業が定着し、通勤・通学を毎日する必要がなくなった人々が、より家賃相場が安いエリアでの生活を求めた結果が、ランキングに反映されているという。

 その点、本厚木は、新宿まで乗換なしで50分ほど、横浜までは40分ほどと都心に近すぎず、遠すぎない距離と家賃相場のニーズがマッチしたエリアといえる。ちなみに、本厚木がトップになるまでは、本厚木駅よりも交通利便性が高く、賃料相場も高い「池袋駅」が4年連続で第1位だった。実際にコロナ禍前後のニーズの変化がランキングにはっきり表れているようだ。

不特定多数を対象にしたアンケートではなく、実際に住むことを想定している人々の声を反映した、ガチの“借りて住みたい街ランキング”
(「首都圏版 2023年みんなが探した!借りて住みたい街ランキング」出典:LIFULL HOME'S)

 LIFULLの解説を読むと「なるほど」とは思うものの、北関東の海なし県出身の筆者にとって、本厚木駅はまったく未知の駅。いったいどんな街なのか皆目見当がつかないので、実際に足を運ぶことに。

 筆者が本厚木駅に降り立ったのは、花粉舞う3月上旬の平日午後。改札を抜けて北口に出ると、駅直結のショッピングモール「本厚木ミロード」がそびえ立っている。