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大谷翔平でも吉田正尚でもない…“WBC世界一の日本代表”をつくったMVPと「勝敗に意味のない試合でも戦う理由」

G.G.佐藤の見た「WBC世界一」2023年の日本代表

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メキシコ戦“ホームランキャッチ”のアロザレーナ、“アマチュア軍団”だったチェコ…「マイナースポーツ・野球」の現在地

――日本以外の国で、印象に残ったチームや選手は?

G.G. やはりメキシコが強かったですね。大谷と同じエンゼルスの左腕サンドバルがよかったし、レイズで活躍しているレフトのアロザレーナもいい選手でした。いろいろなメジャーリーガーを覚えたから、メジャー中継を見る楽しみが増えました(笑)。世界は広いですね。いい選手や面白い選手がたくさんいます。

――佐藤さんはマイナーリーグやイタリアでもプレーされたご経験がありますけど、野球をする環境が日本とはだいぶ違うんでしょうね。

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G.G. イタリアにもプロ野球があって、選手たちはメジャーリーグの契約を勝ち取りたいと考えています。テレビでメジャーリーグ中継を見て野球を始める子が多いので、憧れが強いんです。

SNSでも大きな話題を呼んだチェコ代表 ©佐貫直哉/文藝春秋

 しかし世界的に見れば、野球はマイナースポーツです。だから今回の大会に、まだまだ“のびしろ”のあるイタリアやチェコが出場したことはよかったです。ヨーロッパではサッカーやラグビーが人気で、野球はこれからですから。

――メジャーリーガーもいるコロンビアに勝ったイギリスなど、今回はWBCに初出場した国々もありました。

G.G. 来年のパリオリンピックに、野球はありません。オリンピックの正式種目に戻るためにも、特にヨーロッパで野球人気を広めて、世界大会をもっと増やすなどして、認知度を上げていきたいです。

――優勝後の大谷選手のコメントの中に、「日本だけじゃなくて、韓国も台湾も中国もその他の国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかった」という言葉がありました。

G.G. さすが大谷ですよね。世界を見ています。そういう意味で言うと、今回の大会には野球の魅力が詰まっていたし、普及に貢献したと思いますね。

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