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17年前の2006年WBC開幕戦。あの日、スタジアムは「本当にガラガラ」だった

2006年のWBC優勝メンバー多村仁志氏(写真は当時) ©AFLO

 日本では興奮と熱狂を呼ぶイベントに成長したWBCではあるが、侍ジャパンにとって初陣となった2006年3月3日の中国戦は、会場の東京ドームは半分も埋まっていなかった。そこで多村氏は本塁打を放っているのだが、当時の様子を思い出す。

「本当、ガラガラでしたよね。最初の大会でしたし、どんな大会になるのかもあまり理解されていないところから始まっていましたからね。

 けど僕らが優勝して、つづく2009年の大会を連覇して徐々にWBCは日本で盛り上がっていきました。そして2017年の前回大会でアメリカが優勝して、世界にWBC熱が波及していったように感じます。

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 メジャーの選手は出場する際に保険の問題であったり所属球団の兼ね合いなどクリアすべき問題はそれなりにあるんですけど、2026年の第6回大会は、すでにアメリカの顔であるトラウトも出場するようなことを言っていますし、今回以上に有力選手が出場すると思うので、きっと盛り上がると思いますよ」

トロフィーの重さを知る彼らの3年後

グラブを投げ捨て、帽子を放り投げて絶叫した大谷に侍ジャパンメンバーが集まった(侍ジャパン公式インスタグラムより)

 今大会の表彰式、大谷が選手たちの中心でトロフィーを掲げた象徴的なシーンがあったが、多村氏はそれを見て17年前の情景がフラッシュバックしたという。

「じつは2006年は僕がトロフィーを掲げて記念写真を撮ったんです。だからトロフィーの重みを知っているというか、単に物理的な重さだけじゃなくて、いろんな人たちの想いがつまった重さなんです。

 野球はひとりではできません。まわりと助けあったからこそ掴むことができた世界一。大谷選手という夢のある選手がMVPになった大会でしたし、日本はもちろん、世界の選手たちが目指す大舞台になってくれればいいなと思います。オリンピックから野球が除外されてしまった今、世界一を争う大会として今後も発展していってもらいたい」

 果たして3年後、今度はどんなドラマが展開されるのか、楽しみに待ちたい。
 

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。