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――3年は春にひとつ、秋にひとつ勝ちました。最終学年、コロナもまだありましたけど、いよいよっていう感じでした。井澤さんや松岡さんもいて、ピッチャーもそこそこよくなって。

宮﨑 メンツとしてはいい感じでしたね。野手は1個上の大音(周平)さんとか井上(慶秀)さんとか抜けましたけど、同期の阿久津とか中井(徹哉)とか、下級生にもポテンシャルはあるけど、リーグ戦の結果が出てない選手もたくさんいたんで、噛み合えばっていうか、チャンスがあるなとは思っていました。

(撮影:藤田孝夫)

「開成は盗塁、メッチャします」

――春、盗塁王ですよね。

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宮﨑 まあ、そうですね。たまたまというか。

――盗塁っていうのは、ここ何年かで東大野球部のアドバンテージを積極的に作ろうとした動きが実ったものでした。開成出身の伊藤翔吾さんも、スペシャリストになって。

宮﨑 開成は盗塁、メッチャします。塁に出たら、基本盗塁。めちゃくちゃ走らせるみたいな感じでした。無鉄砲なところはあったんですけど、走塁とか盗塁への積極性みたいなものは、高校のときから自分の中にもあったんです。

 やっぱり大学に入って、リーグ戦はレベルも高いんで、なかなか決まらない。分析は同じようにずっとしていて、僕が1年生のときから、ピッチャーをひとりずつ担当して、クセをさぐる分析もして、それなりにデータも得られていたんですけど、僕が2年生までは積極的にはなれなかったですね。チームとして。

盗塁成功の損益分岐点

――どうして?

宮﨑 状況がすごい限られるというか、負けている展開では走りたくないみたいなのがあったんですけど……。僕の1個上で走塁長だった隈部(敢)さんの発信で、キャプテンの大音さんもそういう話し合いには絶対に関わってたと思うんですけど、そもそも打てないんで、野球をスゴロクみたいに考えたときに、3つのアウトを取られるまでに4つを進塁しないと点を取れない。