――親になったからには、オムツを換えたり、沐浴させたり、背負ってあちこち移動したりしなければなりませんが、そうした自分の姿を想像できていましたか?
中本 まったく想像はできていなかったですけど、「なんだか、やってみたらできたな」って感じで。ウンチの始末なんて、自分でもどこかでイヤだなとは考えていたと思うんですよ。でも、やってみたらぜんぜんで。そりゃあ臭いけど、そういうものだし、やるのは当たり前だし、自分の子供のものだったらなんとも思わないですし。
ウンチやオシッコだけじゃなく、戻しますからね。高熱を出したときに抱えていたら盛大に戻されて「ウゲッ」となったけど、すぐに「後で着替えて消毒すりゃいいや」ってなりましたし。そのあたりは、子供が親にしてくれたという感じですよね。
細く長く生きるためにいろんな医療保険に加入
――お子さんができる前は「ふたりで楽しく生きていければいいな」と、先のことは深く考えていなかったとおっしゃっていましたが、家族が増えるとそうも言ってられないですよね。経済的な面では、具体的にどのような対策を?
中本 ふたりだった頃は、そんなに意識して貯金していませんでしたね。妊娠がわかる前に妻と話し合って、医療保険は厚くはしましたけど。細く長く、遊びながら生きていくなら、元気じゃないといけないからって妻に強く言われたので、いろんな医療保険に入ってたんですよ。
仕事柄、ファイナンシャルプランナーの方々に話を聞いていて、そのたびに「医療保険なんていらねぇんだよ。日本の医療制度は優れているから、入っても無駄」って言われていたんですよ。それもあったので医療保険を減らして、その分を息子の学資に回そうと考えて。
で、ファイナンシャルプランナーに聞いてたんですけど、56歳と45歳で子供をもうけた夫婦が大学卒業までの学資を貯めるシミュレーションが保険会社にはないんですよ(笑)。
65歳以降の仕事のプランを働きながら考えなければいけない現実
――どうされました?
中本 そもそも年齢的に学資保険には入れないんです。この年齢で、向こう20年働くという人生の設計図がないってことなんですよね。
なので、ファイナンシャルプランナーには、学資保険に相当する分を積み立てられる外資型の投資のプランを出してもらいました。
――そうした面からも、高齢出産夫婦の現実を突きつけられる。
中本 それは、これからが本番ですよ。現況としては僕と妻の稼ぎで不安はないですけど、11月に60歳になるので定年なんです。いまの会社は雇用延長制度があるので、65歳までは働ける可能性があり、できればお世話になりたいと思っています。社会保険や福利厚生があるならば、なおさらですね。子育てにはベースが必要なので。