配偶者の同意が必要というのも異例でおかしいと池田さんは話します。
産婦人科医でもある SRHRジャパン・池田裕美枝代表理事:
もともと「優生保護法」が始まりだったので、父親も赤ちゃんの権利があり、「赤ちゃんを亡くなることをお父さんはどう思うか?」ということが昔はすごく重んじられていましたが、今は「母体保護法」なので配偶者の同意は必要ないのではないか、と諸外国から多くの勧告を受けています。もちろん両者の話し合いが大事ですが、中には配偶者との連絡が取れないため同意を取るのが難しいケースもあるのに、配偶者の同意がないと医師は中絶手術ができない法律になっていて、おかしいと思います
女性の権利の拡大という意味では、注目されているのが「中絶薬」だ。3月にも承認されるのではと言われているが、ここまで承認が遅れたことなどについて池田さんは…
産婦人科医でもある SRHRジャパン・池田裕美枝代表理事:
ひとつは日本ではあまりこれまで声が上がらなかったからだと思います。国内では医師からも女性からも議論をこれまでしていたわけでなく、水面下に潜ってしまう問題でした。今回、申請をした「ラインファーマ」社は、いろんなことを乗り越えて申請した形となります
体への負担ついては…
産婦人科医でもある SRHRジャパン・池田裕美枝代表理事:
自分で飲んで、自分のお腹が痛くなって、自分の体から出血してくる…という流産を起こさせる薬になります。飲む場所や個人差で負担は変わってくると思いますが、(手術とは別の)選択肢が増えることは好ましいと思います
また、価格については…
産婦人科医でもある SRHRジャパン・池田裕美枝代表理事:
ピル(経口避妊薬)もですけど、人工妊娠中絶も全額自費となっています。病院で行われることはたいてい保険がきくのに、SRHRに関してのことは全部自費なんです。日本は薬の安全性を重視する国だから認可のための薬が高くなってしまうんですが、それも全部自費で払わないといけないのは問題です
広がりつつも、まだまだ足りない部分が多いと言える日本のSRHRの現状がある。
(関西テレビ「報道ランナー」2023年3月7日放送)