〈あらすじ〉

 ベナン出身の少年トリ(パブロ・シルズ)とカメルーン出身の少女ロキタ(ジョエリー・ムブンドゥ)。二人は、アフリカからベルギーへ向かうボートの中で出会って以来、姉弟のような絆で結ばれている。そしてロキタは、すでにビザを取得したトリの姉と偽り、ビザを申請中だ。今はドラッグの運び屋などをして、祖国の家族に送るための金を稼ぐ日々。そんな中、密航の仲介業者に貯金を奪われたうえ、ビザ取得の面接にも失敗してしまい――。

〈解説〉

 難民の偽姉弟が過酷な現実に直面する社会派ドラマ。第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を受賞した、名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟の『その手に触れるまで』に続く監督・脚本作。89分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆早く大人にならなければいけない子供たち。そんな世界に怒りが湧くが、生き抜く知恵と勇気を持った少年に胸打たれる。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆痛ましさに胸ふさがれるが、苦境に分け入るキャメラの柔らかさに驚く。闇に怯まぬ透徹した視力にも一票を投じたい。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★☆☆☆密航した10代の少女が犠牲になる設定が辛い。両監督にとって必然なのか、女性が苦しむ作品が続いて今回も楽しめず。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆毎度おなじみでは済まされぬダルデンヌの映画術の凄さ。鋭利な主題を身体のアクションで転がす演出と設計に惚れぼれ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆子供が生きる事の意味の底流を空気浄化するように動くカメラ。オーバーステイを歓迎にするスリリングなダルデンヌ。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© LES FILMS DU FLEUVE - ARCHIPEL 35 - SAVAGE FILM - FRANCE 2 CINÉMA - VOO et Be tv - PROXIMUS - RTBF(Télévision belge) Photos ©Christine Plenus

INFORMATION

『トリとロキタ』(ベルギー、仏)
3月31日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
https://bitters.co.jp/tori_lokita/