Q 世界同時多発的におこっている銀行の“異変”…リーマン・ショックみたいなことになるの?

 アメリカでシリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行、シルバーゲート・キャピタルが相次いで破綻・清算し、また、経営再建中のスイス金融大手クレディ・スイスについても、信用不安が拡大したことから同じくスイスの大手銀行 UBS による買収が決まり、世界的に金融機関をめぐる懸念が広がっています。

 個人的には、新型コロナウイルスの感染が爆発的に広まり、様々な分野で国際的な動揺が広がった数年前ならまだわかるのですが、それぞれの国が「日常」を次第に取り戻し始めている今、どうしてこれほど急速に世界各国の銀行に異変が起きているのでしょうか。また、この流れはどこまで広がっていくのでしょうか。(50代・男性・自営業)

シリコン バレー銀行 (SVB) に掲示された通知を撮る人も… ©時事通信社

A 「この銀行は危ないかも」と思い始めると…

 これは何と言ってもSNSの力です。SVBの経営状態が微妙になっていることに気づいたIT企業の経営者たちがいち早く預金を引き出し、この情報が瞬く間にSNSで拡散。預金が枯渇して経営破綻になりました。

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 銀行に預けられたお金は、他の企業に貸し出されたり、国債を購入するために使われたりしています。SVBは多額の米国債を購入していたために、預金の引き出しに対応できるだけの現金が手元になく、破綻したのです。

 金融機関というのは不思議なもので、預金者が、「この銀行は大丈夫」と思っていれば、経営は安泰ですが、「この銀行は危ないかも」と預金者が思い始めると、本当に危なくなってしまうのです。

国際金融資本市場に関する情報交換会合に臨む財務省、金融庁、日銀の幹部ら ©時事通信社

 今回は、その不安がSNSで一気に拡散してしまいました。ですから、「もう金融機関はどこも大丈夫」とみんなが思えば、大丈夫です。日本の場合、多くの預金者が日本の銀行を信用していますから、大丈夫なのです。