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「何もかもが中国でした」闇カジノ的なゲーセン、ピンク色のマッサージ店…ラオスに広がる“ガチ中華街”の実態

2023/04/05
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 まだまだ中国には、日本人がコロナ前のように気軽に行ける状態ではありません。それでも中国に行きたいあまり、妄想が膨らんでしまってよくない。

 何より、西川口(埼玉)や池袋(東京)で“ガチ中華街”独特の雰囲気に触れると、「ちっとも“バエない”庶民的なガチ中華」が愛おしくなってしまいます。中国を扱うライターだからという職業的なものを差し引いても、“庶民的な中国”はいいものなのです。 

「庶民的な中国はどこかにねえが!」となまはげのように日々求めていたら、東南アジアの国「ラオス」の首都・ビエンチャンに、東南アジアでも屈指のガチ中華街があると聞き、行ってきましたよ。

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ビエンチャンのガチ中華エリアは、何もかもが中国だった

 ビエンチャンのガチ中華エリアは、空港のすぐ近くにあります。日本でいうと、関西国際空港の対岸にある空港直結のエリア「りんくうタウン」のような感じです。ここでは、「りんくうガチ中華」とでも言いましょうか。

ラオスのガチ中華エリア。ガチ中華飯のバリエーションは多い

 周辺を歩いてみると、池袋や西川口のガチ中華エリア以上に中国系店舗しかありません。腹だしの北京ビキニのおっさん、パチモノのブランド店、安っぽいB級商品、マッサージの怪しいピンク名刺、赤と黄色ばかりの漢字看板、漢字が流れるLED、破れたまま放置されている横断幕、土埃で黄色がかった道路、貼り紙が貼られた工事現場、巨大な四角い建物と青色の窓ガラス……何もかもが中国でした。

くつろぐおじさんも中国っぽい
路上で怪しいピンク名刺をもらう

 ちっとも“バエない”すべての要素が詰められていて、最近のキラキラ化で失われた“ひと昔前の中国”のエッセンスもあり、懐かしく感じられました。「中国にやってきた!」と脳がバグり、モチベーションもあがります。