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ドアが閉まらない、排水口からドブのような臭い…住人が語る、築50年「ヴィンテージマンション」暮らしのリアル

2023/04/06
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 現在は、置型の消臭剤を洗面台の下に設置して、脱衣所のニオイをやりすごしているという。

「入居前のリフォームで洗面台を取り替えてくれていましたが、ニオイだけはとれないとか」(桃木さん)

入居から一週間後、給湯器が壊れた

 さらにそれから1週間後、今度は給湯器が壊れてしまった。

「元々調子が悪かったのか、私たちが壊したのか不明ですが、ある日、給湯器のリモコンにエラーが表示されてお湯が出なくなったんです。一度電源を切って再起動すれば燃焼モードになるものの、少し経つと再びエラー。入浴中にシャワーから水しか出なくなり、諦めてお風呂の中で体を洗って髪も洗いましたよ。加えて、風呂場の排水口から硫黄のようなニオイも漂ってきたんです」

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 給湯器の故障はさすがに生活に支障が出る、と感じた桃木さんは管理会社に電話をかけた。すると、連絡した翌日には新しい給湯器に替えてくれたそうだ。

「相当古い給湯器だったので、むしろ入居後すぐに取り替えてもらえてラッキーだったかもしれません。ドアの修理はしてもらえていませんが、給湯器はすぐに対応してもらえてよかったです」

 入居1カ月目にして、さまざまな住居トラブルに見舞われたが「これも経験」と割り切って生活しているという。

 そのほかクレームとはいかないまでも、実際に住んではじめて気づく“古い物件あるある”も多数見つかった、と桃木さん。

「窓がやたらと大きいのが気になりますね。カーテンは既製品のものだと幅が足りなかったので、レースカーテンと併用して使っています。風通しはとてもいいのですが『引き違い窓』であることに加えて、窓を開けると網戸も柵もありません。うちには小さい子どもがいるので、窓に近づかないように教えています。高層階に住んでいるので、とくに注意が必要な部分ですね」

カーテンの幅が足りない寝室の大きな窓

 入居前にリフォーム業者が張り替えたという床には、かつて使われていた設備が残されているという。