中村が演じた“魅力的な男たち”にドハマり
『凪のお暇』(2019年・TBS系)で演じた“メンヘラ製造機”と呼ばれる天然人たらしから、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(2018年)のゆるフワ系男子、『ホリデイラブ』(2018年・テレビ朝日系)のモラハラ夫、『今日から俺は‼』(2018年・日本テレビ系)の卑怯でチャラいヤンキー、『闇金ウシジマくん』シーズン3(2016年・MBS系)の結婚詐欺師、さらに“史上最強にかっこいい”と多くのファンに言われる『伊藤くんA to E』(2017年・MBS系)のピュアで優しい好青年まで、実に幅広く多彩な役柄を演じ分けてみせる。
「顔を覚えられない」と長年言われていたのも、いかようにも変化できる役者力の証左ではあるだろう。
とはいえ、コメディからシリアスまで幅広く演じられる巧い役者はたくさんいる。彼が“唯一無二”である理由について、都内の会社員女性・K子さん(40代)はこう話す。
「中村倫也さんの魅力はなんといっても、いつでも余裕があってやわらかでユーモアがある大人の色気です。『ZIP!』に突然出演しても、柔軟で、笑いも織り交ぜてくるコメントがさすがでしたよね。頭の回転が速いんですよ。
舞台『狐晴明九尾狩』(2021年)で安倍晴明を演じたとき、刀を飛ばしてしまったことがあったんですが、そのときもさすがの振る舞いで。セリフがとぶこともなく、顔色も変えずに乗り切って、余裕の微笑みを見せたときの色気にはやられました」
また、都内の主婦S子さん(50代)もその思いをこう熱く語る。
「イラストまで可愛い」ファンがときめくマルチな才能
「中村倫也さんはトークライブもされるのですが、話がうまくて面白い。しかも自分で企画・構成・演出・グッズデザインなど全部やっているんですよ。
エッセイからも文才を感じるし、イラストもシュールで可愛くて良い味です。結婚報告イラストもありましたけど、『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(2022年・TBS系)では差し入れたお弁当の箸袋に石子と羽男の似顔絵を描いていました。公式Twitterが投稿し、すごく話題になったんです。
文字もイラストも人柄が感じられる、やわらかくて可愛い感じですし、言葉選びのセンスもあって、料理も上手いから、まさにマルチですよね」
ファンが絶賛する“マルチな才能”については、『美人百花』(2022年7月号)のインタビューで指摘され、こう語っている。
「いや、やりたいことをやっているだけです。仕事がなかったとき、この世界を目指す人が10万人いるとして、その中の1人になるには10万分の1の能力が必要だけど、自分にはそれがないなと思って。だったら10人に1人の能力をいくつも持って分母を増やそうと。そうすればいつか10万分の1になるって考えて、とりあえず何でもかんでもやっておくようにしたんです」