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ジャニー氏が言った「カウアン、早く寝なよ」の意味
2012年3月、中学卒業を控えた頃だった。東京での仕事を終え、他のジュニアたちとジャニー氏の自宅に泊まることになった。リビングで出前の夕食を食べると、ジャニー氏が近づいてきて、肩をマッサージしながら言った。
「カウアン、早く寝なよ」
岡本氏が振り返る。
「他のジュニアも、『今日はカウアンか』と、それで気づいたと思います。その日はジャニーさんの部屋から近い部屋で寝ました。『寝なよ』って言われたときは、ジャニーさんの寝室か近くの部屋に寝ないと、翌日すごく機嫌が悪くなるんです。その頃には他のジュニアにも聞かされていたし、自分でも調べたりしていたので、ジャニーさんのことはわかっていました。でも、その部屋には3つベッドがあって、他の奴もそこで寝ていたんですが……」
ジャニー氏は深夜、家の中を回る。電気を消したり、ジュニアたちに布団をかけたり、遅くまで騒いでいないか、見回りをするのだ。
サッサッサッサッ。
スリッパの足音が彼の寝る部屋の前で止まり、ジャニー氏が入ってきた。見回りでカーテンを閉める際、窓の明かりで少年たちの顔は既に見分けている。
「下のほうからベッドに入ってきて、布団を引き剥がされて、僕の腰のあたりで横になるんです。それ以上上がってくることはなくて、足元で全て終わります」