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 栗山監督については、著書『育てる力』(宝島社、2018年)から、『論語と算盤』(渋沢栄一)を大谷に渡し、数カ月後に読後感を尋ねたエピソードや、選手に読書を勧める理由について書かれた箇所を引いていた。

 吉井コーチは佐々木朗希を育て、日本の野球を科学的に導いた指導者の一人と紹介。米国スタイルを最初に導入し、著書『最高のコーチは、教えない。』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)の中から、2014年に筑波大学大学院に入り、体育学を専攻したことを引き、「指導者がなぜ学び、選手と共に悩まなければならないのかを記した」と書いている。

かつてのように韓国野球が復活するために

 4月1日、韓国ではKBOリーグ(韓国プロ野球リーグ)が開幕した。

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 WBCの1次ラウンド敗退後、KBOと10球団は謝罪文を発表したが、開幕直前にはロッテ・ジャイアンツの選手の未成年者へのわいせつ行為が明るみに出て、さらには、KBO傘下企業の幹部の背任収賄容疑でKBOの事務所が家宅捜索されるスキャンダルに見舞われた。再建を謳った矢先のスキャンダル続出に観客離れも心配されたが、前売りは完売となった。

 日韓戦でヒットを打った李政厚選手が所属するキウム・ヒーローズでは、大谷の影響で韓国でもすっかり有名になったマンダラチャートを作成し、今季の目標を、「リーグ優勝」とした。周りを囲む8項目にはチームワーク、挑戦、ファンなどが挙げられていた。

 スポーツソウルは大谷シンドロームを背景にした韓国野球界についてこんな風に書いていた。

「(空から降ってきた、稀代の天才である)大谷を目指すことは難しい。むしろ違う方向を見なければ。チームバランスだ」(3月23日)

 韓国野球もかつてのように復活してほしい。ひりひりする、いい試合が見たい。