韓国読者に響いた大谷の質素な暮らしぶり
野球には関心がなかったが、マンダラチャートで大谷を知ったという40代の会社員は、「野球がこんなに面白いなんて知りませんでした」と話す。
「米国戦で大谷選手が最後の1球で優勝を決めた時、鳥肌が立ちました。いやあ、すごい、すごいと聞いていたけど、実物は本当にすばらしかった。選手たちの喜ぶ姿を見て、あんなにすごい試合に勝って一緒に喜べる日本がうらやましかったです」
決勝戦の後、韓国のオンライン掲示板では5年前の『FLASH』(2018年5月1日)の記事が話題になった。大谷が当時、通勤に現代自動車の「ソナタ」を使っていたという記事で、韓国ブランドの車に乗っていたことも十分に関心を引いたが、韓国読者に響いたのはその質素な暮らしぶりだ。
年々年俸がうなぎ登りの韓国の野球選手らは、コロナ禍でのパーティなど、地に足のついていない印象を与えるスキャンダルが報じられたことは一度や二度ではない。今大会の惨敗で過去のスキャンダルは再び大きくクローズアップされ、非難の的になった。
記事には大谷が後部座席に座らない理由が「礼儀に欠くから」としていた話も添えられており、ネット市民からは「いったい短所はあるのか」、「虚栄心がないところがいい」、「韓国の選手も見習うべき」などの声が並んでいた。
50年来野球に親しんできたというコラムニストは、こんな選手は初めて見たと大谷がWBCでボールボーイやバットボーイへ気配りする姿を伝えた。「自分の手袋と保護帯をひとつひとつ外しながら渡し、笑みを浮かべながら(ボールボーイの)背中をぽんと軽く押してあげた。ありがとうと言っているようだった」と描写し、2021年8月15日、シーズン39号を打った大谷がベンチに戻るシーンを回想。
「まずハイファイブをしたのは、選手でもコーチでもない、LAエンゼルスのボールボーイだった。ボールボーイとハイファイブをし、バットボーイの肩を優しくポンポンとたたくなどして、彼は野球場であまり注目を受けない人たちまでもすっかり虜にしてしまう」(週刊朝鮮、3月26日)と絶賛していた。