信玄公がなかなかの迫力を見せている。歴史上のできごとだからこれからの展開はみなだいたい知っているわけだが、序盤においての“ラスボス”的な雰囲気がむんむんと漂っている。あ、大河ドラマ『どうする家康』のお話です。そしてその信玄公が拠点を構えていた町が、甲府だ。

 周囲を山に囲まれた、徹底的なまでに盆地の中にある町、甲府。大河ドラマの中ではなぜだかハードボイルド感をもって描かれているが、実際の甲府はいったいどんな町なのだろうか。

新宿から約90分…中央線“ナゾの武田信玄の駅”「甲府」には何がある?

中央線“ナゾの武田信玄の駅”「甲府」には何がある?

 甲府が甲斐国、すなわち山梨県の県庁所在地であることは誰もが知っている。玄関口は、いうまでもなく甲府駅である。東京からは(だいたいは新宿駅から)中央線の特急に乗ればⅠ時間半ほどで着く。

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 東京暮らしの人にとっての中央線のイメージは、せいぜい高尾、頑張っても大月といったところだ。が、もちろん実際には山梨・信州まで延びていて、その途上に甲府駅がある。

今回の路線図。東京からは中央線の特急でだいたいⅠ時間半ほどの場所にある「甲府」

 甲府駅に向かう特急「あずさ」もしくは「かいじ」は、大月から少し先で約4500mの笹子トンネルを抜けて甲府盆地に入る。勝沼ぶどう郷駅を過ぎたあたりでは、左側の車窓から甲府盆地の広がりを一望することができる。

 そうして塩山や山梨市、石和温泉などを経て、甲府駅へと滑り込む。甲府駅には他にJR身延線も乗り入れている交通の要衝で、もちろん周囲には甲府の市街地が広がっている山梨県最大のターミナルである。