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変わった構造をした駅のホームから改札を抜けると「これはデカい…」

 だから駅も実に立派だ。乗り場は2面5線、1番のりばのホームから留置線を挟んで北に向かって2番のりば・3番のりばのホームがある。で、反対の1番のりばのホームの片隅に、身延線専用の5・6番のりばがある。つまり数字の順番にのりばが並んでいないという、変わった構造をしているというわけだ。まあ、だからといって迷うようなこともなさそうなので、このあたりをあまり気にする人はいないのだろう。

 ホームから階段を登って橋上のコンコースに出て、改札口を抜ければ南北を結ぶ自由通路。このへんは、まったくどの駅でもおなじみの構造だ。そしてそのまま立派な駅ビル、セレオ甲府に繋がっている。

 セレオ甲府が建っているのは駅の南側。人の流れを見ても、おおよそ南側に向かう人が多いようだ。流れに乗ってそのまま南口に出てみると、一角にはヨドバシカメラのある巨大な駅前広場が待っていた。

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 広場の中央にはバス乗り場やタクシー乗り場があって、車両進入禁止のヨドバシ前にはベンチもあって、待ち合わせをしている人もいる。

 地方都市のターミナルは、町の中心から離れた場所に設けられていることも多い。その上クルマ社会だから、町に集う若者たちもおじさんもおばさんも、あまりターミナルの存在を意識することなく暮らしていたりする。が、甲府においては駅前はなかなかの賑わいで、そういう地方都市のパターンは当てはまらないのかもしれない。

 そしてそう、肝心のあの人。居ましたよ、駅前広場の隅っこにどーんと実寸の数倍くらいの大きさで。武者姿の武田信玄公、“甲斐の虎”が軍配を持って腰掛けて、鋭い目で甲府の町を見つめていました。

 

 なんでも川中島の戦い(上杉謙信と戦った合戦)の折の様子を模したとかで、高さはなんと3.1m。実際の身長は、当時の日本人のことだからせいぜい160cm、座っていたら70~80cm程度だろう。甲府駅前の信玄公、あまりにでかい。そのでかさは、甲府の町における武田信玄という人物の存在感の大きさを表しているのかもしれない。