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「動物おたく」「麻雀おたく」だったムツゴロウさんの笑顔
動物王国は2004年に一時経営的に失敗。畑さん自身も3億円の借金を背負ってしまう。が、それも本業の文筆業(と麻雀?)で完済。晩年は北海道・中標津の自慢のログハウスで、長年連れ添った妻・純子さんと犬猫1匹ずつという生活を送られていたが、じつにお幸せそうに見えた。
畑さんの麻雀好きは有名で、いろいろなお話を聞く限り、一時期は確実にこの国で最強だったのではないだろうか? と思わせる逸話も数多い。九段という想像もつかない腕前で、日本プロ麻雀連盟の相談役を務めるほどだった。年末12月28日に雀荘に出かけ、年明け1月7日に帰って来たお話や、夫の影響を受けてご夫人の純子さんまでも麻雀が強くなってしまったというエピソードも痛快だ。
思うに畑さんにとって人生のすべてはギャンブルだったのだろう。だが、決して運を天任せにはせず、自らの強い意志で切り拓いていった。畑さんはギャンブラーであると同時に、今でいう動物おたく、麻雀おたくだった。そのどちらも極め、ご家族も深く愛された畑さんの晩年の笑顔に悔いは見て取れない。想いをやり遂げたおたくの幸せを深く感じる。
謹んでムツゴロウさん、作家・雀士の畑正憲先生のご冥福をお祈りします。