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「1回目の逮捕までは若い娘の出入りがやたら多いなとは思っていましたけど、ハーレム生活が家の中で繰り広げられているなんて想像もしませんでした。ただ、家の前には占いの看板があって、たしか当時は『ヒロハウス』と名乗ってましたね。家にも何度か、『この辺りに占い師の方は住んでいませんか?』と若い娘が訪ねてきたこともありました」

ハーレム生活が繰り広げられた自宅 ©文藝春秋

 占いの様子はかなり特異なものだったようだ。当時、事件を取材した記者はこう振り返る。

「自宅の捜索では催涙スプレーのほか、ホルマリンやスタンガンなどが押収され、一体何に使う予定だったのかと首をかしげるものも多かった。占いを当てて信じ込ませることができたのは、事前に隣室で妻たちが女性の悩みを聞いているのを盗み聞きしていたからです。占いの最中には女性の顔にランプの光を当てて、『霊がついている』と不安をあおっていました」

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集団生活を始めた“ファンタジーな理由”

 集団生活を始めた理由については、あの世界的な有名アニメも影響していたようだ。2006年の裁判を取材した記者が、法廷での博仁容疑者の発言を証言する。

送検される渋谷容疑者。額には絆創膏のようなものが貼られていた ©文藝春秋/撮影・上田康太郎

「弁護人からの質問で、博仁容疑者はハーレム生活を始めた理由について『子供の頃見たディズニーのアニメのなかで男女10人が一緒に暮らす姿を見てから、ずっとそんな生活が夢だった』と語っていました。しかし、男性と同居するのには抵抗感があったようで、女性だけになったそうです。

 女性を自宅に帰すと言った時も『女性はおもちゃではないので、集めた以上はきっちりと戻さなければいけない』と変な言い方をしてましたし、それまでの生活も『とても素敵な夢を見させてくれた』と振り返るなど、ややファンタジーなモノの言い方が目立っていました」

 当時、博仁容疑者は妻たちの解放を約束したが、法廷を出る際には2人の妻たちを連れていたという。同じ悲劇を繰り返さぬように、実態の解明が求められる。

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