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それでも艦長は「もう少し様子を見よう」と核魚雷の発射を思いとどまりました。この話は、東西冷戦が終わった後、潜水艦の乗組員の証言によって明らかになっています。
翌日、フルシチョフ首相はキューバに配備したミサイルの撤去を発表。キューバに向かっていた艦船もUターンしてソ連に帰っていきました。アメリカもキューバへの武力侵攻をしないと約束し、核戦争の危機はギリギリのところで回避できたのです。
世界史を動かしたスパイたち
ペンコフスキーというスパイと、情報の運び屋のウィンの働きによって、キューバ危機の内情が明らかになりました。まさに世界史を動かしたスパイがいたのです。
約2週間にわたって世界が核戦争の危機に見舞われたこのキューバ危機は、多くの学者や歴史家の研究対象となっただけでなく、『13デイズ』という映画にもなっています。ペンコフスキーとウィンについても『クーリエ 最高機密の運び屋』という映画になっています。素人が機密情報の運び屋になってしまった緊迫感と当時のソ連の雰囲気がうまく描かれています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。