2023年3月31日、チェコ共和国の野球国内トップリーグである「エクストラリガ」が開幕した。現在8チームが所属し、おもに週末を利用してチェコ国内の5ヶ所で試合をしている。

 翌日4月1日のデーゲームでは雪が降っているところもあった。チェコで4月に雪が降ることはそれほど珍しくもないが、雪の中でネックウォーマーをしてプレイしている選手たちの姿は、日本では滅多に見たことのない幻想的な野球の風景だった。

Baseballczechインスタグラムより

大谷はチェコを本当にリスペクトしてる

「夢の旅路」をさらに続けるべく、チェコの選手たちは次の目標である9月の欧州選手権に向けて歩みを進めている。いまのうちにもう少しだけWBCの話題を一緒に振り返っておきたい。じつは開幕直前のタイミングで、チェコ代表の何人かが私にメッセージを返してくれていた。

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 一人は、投手のダヴィト・メルガンスだ。彼は、また記事を書くことがあればぜひ協力したいと言ってくれていたのだ。

「いまは最高の気分、ついに僕たちのシーズンが始まりつつある。WBCで何かが変わったとは感じてないよ。僕はトーナメント前も、いまと同じ人間だったと思う。結局、野球のユニフォームを身につけてるのはずっと同じだから」

日本戦でフィールドに入場するメルガンス投手(メルガンス投手のインスタグラムより)

 ユニフォームといえば、チェコ代表の帽子だ。大谷翔平がマイアミの空港でチェコ国旗が見えるようにチェコ代表のキャップをかぶっていた。この時の様子はチェコ代表のSNSでもチェコのスポーツメディアでも大きく取り上げられ、大谷がインスタグラムに「Respect」と書いていたのは本当だったんだ、と伝えられていた。

「あれは本当に予想もしてなかった。思うに、オオタニはチェコの選手とそのストーリーを尊敬しているって僕たちに示したかったんじゃないかな。あらゆる場面で彼はとっても感じのよい、やさしい人だったよ」

メルガンスは「思い出横丁に宿るエネルギーが気に入った」

 そんなメルガンスに、日本で撮った写真のうち、気に入っているものを教えてもらった。

「これが一番好きかな。お店には入ってないんだけど、この場所とここに宿っているエネルギーが気に入って」

メルガンス投手が気に入ったという新宿思い出横丁

「あと個人的には、日本戦でフィールドに入場したときの写真。人生でいちばんいい気持ちだったから」

 WBCのチェコ代表でもっとも注目を集めた一人、オンジェイ・サトリア投手の人柄についても聞いてみた。

「サティは最高だよ。すばらしいチームメイトだし、彼といるときはいつも爆笑してる。それに、彼はいいアドバイスもくれる」