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 冬ドラマもそこそこ多かったのだが、いわゆる「ジャニーズ枠」といえるような固定枠は意外と少ない。2023年4月時点では、テレビ朝日系「オシドラサタデー」(土曜23時)と日本テレビ「シンドラ」(月曜24時59分)のみで、どちらも深夜帯だ。一応固定枠があるので、0本ということにはならないが、これほどジャニーズのドラマが乱立しているクールも珍しい。

ジャニーズ起用のメリット

 ジャニーズ起用のメリットは様々だが、SNSの反響を見過ごせない昨今、最も考えられるのは「アイドルファンによる拡散力の高さ」だ。母数が多いのはもちろん、ファンの中には「動画を回す(再生回数を稼ぐために何度も見る)」というような文化があり、YouTubeやTwitterなどの数字にめっぽう強い。ベストジーニスト賞や国宝級イケメンランキングといった読者投票系の賞レースも常連だ。

 ちなみに、これはジャニーズに限ったことではない。吉本系列のJO1やINI、SKYーHIプロデュースのBE:FIRSTなどの次世代ボーイズグループにも共通で、その影響力を買われてか、全く芝居経験のない彼らも実は、深夜ドラマを中心に活動の場を広げつつある。

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 このような旨みは確かにあれど、『だが、情熱はある』(日本テレビ系)に関しては「ジャニーズだから」という安易な理由ではなく、森本・髙橋のふたりが一役者として、絶大な信頼を寄せられたからこそ託された役で、満を持してのキャスティングなのではないか。

 

伸び悩みの時期に苦しんだ“苦労人”の森本

 元Hey!Say!JUMPのメンバーだった兄を持つ森本は、ジャニー喜多川の推薦で入所。所属当初からドラマへの出演も多く、2009年には映画内ユニット「スノープリンス合唱団」としてCDデビューを飾り、ジュニアたちを引き連れて紅白にも出演した。一見、エリート街道を突っ走ってきたかのように思える。

 しかし、喫煙問題で兄が退所。森本自身も成長期に突入したためか、中央に立つことは少なくなっていた。その後、2012年に放送されたドラマ『私立バカレア高校』(日本テレビ系)から派生したバカレア組が、2015年にSixTONESとしてオフィシャルのグループとなるものの、伸び悩みの時期は続き、後輩にあたるKing & Princeのデビューを見送った。2020年悲願のCDデビュー後、現在の人気に至るわけだが、「ジュニアのガキ大将」と呼ばれていた時代からは想像つかないほどの苦労人である。