人の心は、なんと移ろいやすいことか。ロシアのウクライナ侵攻は各局とも連日、報道するが、中国の新疆ウイグル自治区での、ウイグル族の大量拘束と洗脳なんて、もうニュースで観ること、まずないし。
高市早苗氏の総務相時代の疑惑を巡る「捏造」発言や、議員や閣僚辞任まで踏みこんだ喧嘩上等パフォーマンスも鎮火の気配だ。
芸能ニュースの消費される速度は、さらに早い。日本テレビの水卜麻美アナと俳優、中村倫也の結婚発表は三月二十五日。あのときは、かなり仰天したけど、もうテレビで水卜ちゃん観ても、新婚生活はどうかとか、まず思わないし。
でもね、結婚を発表した直後の『午前0時の森』で水卜アナと、オードリー若林正恭の掛け合いは、けっこう面白かった。
冒頭で若林が、この一週間も何もなかったなァと発言すると、水卜ちゃん「あったじゃない。イジッてよ!」と反応するが、放送作家のお決まりフレーズで番組を始めるのは安直だよ。
若林ってあまり興味ないけど、この夜は笑えた。結婚を正式発表する前日に水卜アナは若林に伝えたんだって。明日、突然ニュースを知った若林が(なんで俺には内緒にしてたんだよ!)って怒らないように。
すると若林が「ああいうの、いいから」と拒絶するの。「あれ迷惑」とも。「相手は芸能人の方なんですけどもとか、俺の気を引くけど、聞きたくないよ」
マジで驚く水卜アナ。「結婚相手は有名俳優とかほのめかされるとさ、俺も誰って訊くしかないよね」「あ、ハイ……」「でも、相手の俳優さんの名を聞きたくないのよ。もし明日の正式発表の前に洩れちゃったら、犯人探しが始まるじゃん? で、俺にも伝えたってなったら、俺も秘密を流した容疑者の候補リストに入って、面倒くさいことになるんだよ」
大意こうした反応を、若林は口にした。「ああ、そうなんですね」「それに、俺さ、結婚に驚かなかったもん。近いなと思ってた」「えっ、どうして! 用心してたんですけど」「だって、ゲストの話を聞いてるとき、途中で泣く事が多くなったじゃん。しかも、けっこう涙とまらないくらい」「あ、やはり相手の御家族のこととか思い、泣いちゃうんです」「でしょ? もう近いって判った」
「やっぱり同じマンションの別の部屋だったの」「いえ、マンションは別」「じゃ入り口で変装して、顔を伏せて入るわけ?」「うん……まあ、そうっすかね」
こんなやりとりが、けっこう新鮮でね。ピン芸人のTAIGAがプレスリー風の衣装で、口数少なく祝福した姿も好感度高かった。期待しないで観始めた番組がけっこう笑えて、とても得した感じだ。
INFORMATION
『午前0時の森』
日本テレビ 月、火 23:59~
https://www.ntv.co.jp/mori/