歯科医師として診療に携わり色々な方のお口の中を診ていると、虫歯がない人は1つもないのに対し、何度も何箇所も虫歯になってしまう患者さんもいる。両者は一体何が違うのか?

 今回は、虫歯になる人の特徴、虫歯になるリスクが高い人の特徴をお話ししていこう。(文=遠藤あると/清談社)

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「だらだら食べ」で虫歯リスクは高くなる

 まず、虫歯になる人の特徴として挙げられるのが、いわゆる“だらだら食べ”をする人だ。

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 虫歯の菌は、食品に含まれた砂糖(ショ糖)を分解して酸を作り出し、この酸で歯を溶かす。これを「脱灰」というのだが、この脱灰がどんどん進んで歯に穴があくと、削って詰めるなどの加療が必要な「虫歯」という病態になる。

 糖分を含んだ食品を時間をかけてだらだら摂取する食生活は、虫歯菌に餌を与え続け、虫歯になりやすい環境をつくっているに他ならない。

 会社のデスクに糖分の含まれた飲料やお菓子を置いている方も多いだろう。仕事の合間を見てちょこちょこ食べてはいないだろうか? ドライブのおともに買ったスターバックスの甘いドリンクをどのくらい時間をかけて飲んでいるだろうか? たまにであれば支障はないが、だらだら飲んだり食べたりをしょっちゅう繰り返していると、そのぶん虫歯のリスクは高くなってしまう。

筆者の現役歯科医・遠藤あるとさん(清談社提供)

 また、ダイエットをしている人も、その食事法によっては虫歯のリスクが高くなる恐れがある。

 ダイエット法のひとつとして提唱されている、少量ずつ複数回にわけてこまめに摂取する食事法。これもだらだら食べ同様、歯にあまり良くない。血糖値が安定するなどメリットもあるが、歯のことのみを考えるのであればショ糖の含まれた食品を頻回摂取するのは控えたほうがいい。

 キシリトールなどの代用甘味料が使われていれば問題ないが、そうでない限り大半のものには砂糖が含まれている。例えば、ダイエット食の定番であるサラダであっても、上にかけるドレッシングには糖分が含まれていることが多い。決まった時間にきっちり食べるほうが虫歯のリスクは減らせるのだ。