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「電動歯ブラシなら大丈夫」のワナ

 虫歯になる最大の原因である磨き残し。磨き残しがあると、その中に含まれる糖が虫歯菌の餌となるため虫歯になりやすいのだが、歯ブラシの時間や回数が少ない人はもちろん、実は“自分はきちんと磨けている”と思い込んでいる「自己完結型」の人も虫歯になっていることが多い。

 実際に毎食後きっちり磨くという人や、電動歯ブラシやうがい薬、歯磨き粉にこだわっている人の中にも磨き残しが目立つ方は多い。電動歯ブラシやうがい薬自体はいずれも素晴らしいものだが、うがい薬や歯磨き粉という補助的なアイテムに頼りすぎていて基本の歯磨きが行き届いていなかったり、電動歯ブラシを奥まで当てられていないのに磨けた気になっているだけだったりすることも。

 電動歯ブラシであれ普通の歯ブラシであれ、まずは毛先をしっかり歯に当てて隅々まで磨き、汚れを確実に除去する必要がある。その上で補助的なアイテムを併用することで効果が最大限発揮されるのだ。

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 また歯並びが悪い人も、入り組んだ部分に磨き残しが多くなりがちで虫歯のリスクが高いため注意してほしい。

筆者の現役歯科医・遠藤あるとさん(清談社提供)

虫歯菌はうつるのか?

 それからお子さんの歯に関していえば、育児の主な担い手になりがちな母親に虫歯が多いと、その子どもも虫歯になりやすい傾向がある。

 よく虫歯菌はうつるのかと聞かれることがあるが、答えはイエスだ。実は生まれたばかりの赤ちゃんの口の中に虫歯菌は存在せず、子どもの虫歯菌はそのほとんどが親由来、とくに母親由来であることがわかっている。

 虫歯菌は唾液を介して感染し、スプーンなどの食器の共用などでもうつるため、主に育児を担当する家族の口腔内を清潔にしておく必要がある。まわりの家族、とくに母親の口の中が不衛生な子どもは虫歯になるリスクが高いため要注意だ。

筆者の現役歯科医・遠藤あるとさん(清談社提供)

 ここまで虫歯になる人の特徴を色々と話したが、生活習慣の改善で防げることが多いことにお気づきだろうか。

 どれかひとつが原因で虫歯になるというよりは、上記の要素が複合的に重なることで虫歯ができる。原因をひとつでも取り除くために、まずは生活習慣を見直していただけたらと思う。どうか虫歯にならない口内環境を目指してほしい。