クリエイティブな能力は、点数で測れるものではありません。クリエイティブだとこちらが感じ、それを拍手してほめる姿勢が大事です。「発想が利益を生む」「発想がトラブルを解決する」などと、文脈を繋げれば話も広がりますから、ほめやすくなりますし。
相手を承認する言葉は具体的であるほど心に残る
ほめるには、タイミングが重要です。改まって言うより、相手に光る部分を感じた瞬間、その場で反応するのがよいのです。即座にリアクションを返す「リアクションぼめ」の習慣をつけましょう。
「え、すごい」はシンプルな言葉ですが、感動を直に伝えることができます。しかしそれだけでは弱いので、ほめ言葉というよりも相槌のように受け止められてしまう可能性があります。そこから一歩進んで、何をすごいと感じたのかを伝えましょう。
「クリエイティブですね」「発想力が素晴らしいですね」と一言、「すごい」の中身をブレイクダウン(細分化して落とし込む)する。その間に、繋ぐ言葉を考えます。
相手を承認する言葉は具体的であるほど、心に残るものです。
状況判断力が優れていますね
状況判断はレベルが高い能力ですから、言われると嬉しい言葉です。社会人として優れていることを表わしますし、当事者としてリスクを取って行動したことを評価されたと伝わります。
私の職場にも、トラブル処理を任せるときれいに解決する人がいます。状況を判断して理解して、問題の本質を言い当て、それを解いて時系列で文章にしてまとめるところまで、完璧な技術を持った人です。状況判断も説得力も優れているのです。
もちろん「人間性が優れている」ということもできますが、「人間性」は一般的すぎて若干使いにくい言葉です。「社会性がある」「協調性がある」は、上の人から下に向かって評価する時には便利な言葉遣いですが、下から上に向かっては言いにくいものです。
「情報処理能力が高い」「コミュニケーション力が高い」は、いずれでも使用が可能で、今の時代にフィットしたほめ言葉ですね。時代に合った人間という自信に繋がる言葉です。
私の同僚には、学生の答案の採点が速く確実な人がいて、その仕事っぷりは毎年見るたびに「倍速だね!」とほめてしまいます。
表舞台に立たず裏方に回りがちな事務方に、速くて正確な人が多いと感じますが、そういう相手には「よくこの短時間で作業をできましたね」「スピード感に驚きました」「段取り力がありますね」と声をかけると人間関係がスムースになりますし、あなたのお願い事を気持ちよく聞いてくれるようになるかもしれません。「仕事のテキパキ感すごいですね」などという擬態語を取り入れた表現も、伝わりやすいでしょう。