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「握手会で人気メンバーとの『差』が明確に…」中2でAKBに加入した元アイドル(29)が現役時代に突き付けられた“現実”

内田眞由美さんインタビュー #1

2023/04/23
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内田 同期で同い年の宮崎美穂ちゃんと近野莉菜ちゃんとは、すぐに仲良くなりました。ただ、同期で年齢も近い分、“ライバル感”も強くて。悩みを相談するというよりは、ふざけてワイワイすることのほうが多かったです。

高橋みなみさんによく悩みを聞いてもらっていた

――では、悩みがあったときは誰に相談していたのですか。

内田 先輩に相談していましたね。特に高橋みなみさんは地元が同じで、練習終わりに一緒に帰ることが多かったから、よく悩みを聞いてもらっていました。

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――たとえばどんな悩みを?

内田 歌や振り付けをどうやって覚えたらいいかとか、マイクはどう使うのかとか。今思うと本当に基礎的なことばかり相談していましたが、たかみなさんはどんなときもまっすぐ向き合ってくれました。

 逆に、たかみなさんから相談を持ちかけられることもあったんですよ。あの頃はたかみなさんも後輩ができたばかりだったので、「後輩からはどう見えているか」「やりづらいことはないか」といつも気にされていて。当時から自分のことだけじゃなく、グループ全体のことを考えていて、「すごい人だな」と尊敬していましたね。

周りについていくためにいっぱいいっぱいの毎日

――先輩の存在が支えになっていたんですね。やはり、ライバル意識のある同期には弱音を吐きづらかったですか。

内田 普通に学生をやっていても、体育の授業とか学校の成績とか、嫌でも周りと比べてしまう機会はありますよね。でも、アイドルは競争がさらに激しいというか。

 たとえば握手会では、並んでいるファンの列で人気が明確に分かってしまうんですよ。劇場公演でも、メンバーによってコールの量が全然違う。そういった「差」を毎日のように目の当たりにするんです。

焼肉店「焼肉IWA」の店内にはAKB48時代の衣装が飾られていた

 私はその現実を知らずにアイドルの世界に入ってしまったので、環境に慣れるのに必死でした。つらいけど、弱音を吐いてたらすぐに置いていかれてしまいそうで……。それもあって、ライバル意識の強い同期には弱音を吐けなかったんです。

――その環境だと、途中で心が折れてしまう人もいるのでは。