資産性のある「建物」とは
建物付きで相続する場合は、相続時までになるべく断捨離をして、家財道具を片付けておくことです。特にタンスや食器棚のような大型の家具を撤去しようと動かすと、壁が傷んでいたり、カビが密生していたり、思わぬ状況に遭遇するものです。
相続後に相続人が住むにしろ、賃貸に出すにしろ、いずれにしてもまず家の中を整理して補修すべき箇所を確認することです。内装ばかりに目が行きがちですが、屋根や外壁などの修繕履歴も確認し、クラック(亀裂)などが入っていないかを確認します。意外と見落としがちなのが樋(とい)で、台風や豪雨などの影響で外れている、壊れているようなケースも多いものです。
設備で要チェックなのがエアコンや給湯器です。親がしばらく病院や福祉施設などに入居していると、機器がほとんど使い物にならない状態にある場合があります。相続後どの程度の整備費用がかかるのか、あらかじめ把握しておくと、慌てずに済みます。
最近ではマンションを相続するケースも増えています。マンションの建物価値は非常に重要です。土地の権利があると言っても所詮は敷地権の共有にすぎません。マンションこそは相続後自分が住む、他人に貸す、売る、という視点から、その建物としての資産性を正確に把握しておくことが大切です。
建物の老朽化をチェック
まず、相続するケースでは築40年を超えるような物件が多いかと思います。立地については道路への接続など気にする必要はありませんから、もっぱら建物の老朽化の具合をチェックしましょう。
親の住んでいたマンションの状況なんてわからないと思うでしょうが、管理組合に頼んで、大規模修繕履歴のチェック、特に議事録を見て住民間でのトラブルが頻発していないかを確認します。古いマンションになると、オートロックがない、共用部の清掃が行き届かない、外壁の塗装、配管や設備の更新が思うように進められていないものがあります。
相続後に賃貸したい、売却したいという場合には、今ではネットで相場を簡単に把握することができます。どこのサイトでも大きな違いはありません。