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車で走ることが難しいレベルの悪路の先に……

 山の麓から遊園地エリアまで、しばらく登り坂の車道が続く。

 麓には券売所があったらしいが、今となっては朽ちたゲートがわずかに面影を残すのみだ。ゲートの先は所々でアスファルトが剥がれ落ち、路面は波打っている。落石と倒木も多く、車で走ることが難しいレベルの悪路だ。

かつて券売所があったと思われるゲート

 途中、七種の竹を植林した竹林や、地層を見せるアトラクションがあった。山の遊園地らしい演出だ。

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竹林の看板

 しばらく走ると、道沿いにロータリーと呼ばれる広場が現れた。ロータリーの面影がない広場には、営林に関係する建屋と、国鉄の駅から移築した木造のトイレがあった。トイレに懐かしさを感じてほしいとの説明看板が落ちていたが、なぜ駅舎ではなくトイレを移築したのか、当時の関係者に聞いてみたい。

国鉄の駅から移築した木造トイレ
看板には「旧国鉄をしのぶ人々に」のメッセージが

 ロータリーに車を停め、この先は歩いて探索する。手作り感あふれる祠にお参りし、いよいよ遊園地らしい雰囲気が出てきた。歩くこと5分、ひときわ大きな建造物が見えてきた。コンクリート3階建てで、マンションだと4階以上の高さがありそうだ。はじめて現れた壮大な建物に興奮を隠せない。

かつて動物園ゾーンだった建物が残されていた

 これはかつて馬屋だった建物で、この一帯は動物園のゾーンだった。クジャクや猿、猪などが飼育されていた。コンクリートの巨大な建造物に目を奪われがちだが、広場を跨ぐ全長75メートルの吊り橋も見事だ。床板が朽ちてボロボロになってしまっているが、これも隣県からわざわざ移築された物件とのこと。