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「30歳に見えない、背が小さい、美人じゃない」…岸井ゆきの(31)が語るコンプレックスと、日本アカデミー賞受賞後の“意外なプレッシャー”

岸井ゆきのさんインタビュー #2

2023/04/30

genre : エンタメ, 芸能

note

新ドラマでは「元ヤンのタクシー運転手」

――これからの活動に、ということでしょうか。

岸井 うん、そうですね。『ケイコ』という映画単独でいただいた賞だと思っているので、これから日本アカデミー受賞者みたいにいわれるのは、ほんとまじ言わないで、やめてーという気持ちです(笑)。

――4月30日からスタートするドラマ「日曜の夜ぐらいは…」(テレビ朝日系)では、「元ヤンのタクシー運転手」という型破りな役を演じられるそうで。

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岸井 初対面の人にこんなふうに接するんだという、人との距離感がバグっている、すこーんとつき抜けたようなキャラクターです。

 

――タクシードライバーという役柄も、岸井さんがどんな風に演じるのか楽しみです。

岸井 最近多い設定ですよね。「First Love 初恋」、『ちょっと思い出しただけ』とか。

――そう言われてみると確かに。映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』(ジム・ジャームッシュ監督)のイメージがあります。

岸井 ああ、ウィノナ・ライダーですよねえ。タクシーに乗っていると、よく会いますけどね、女性の運転手さん。

――岸井さん、運転はされますか?

岸井 します。うまくはないけど、安全運転です。今回のドラマ、劇中で実際には運転できないのですが、発車したかったなあ。

――最後に、岸井さんにとっての「普通」を教えてください。

岸井 なんですかねえ! 生活を大事にすることですかね。朝起きてカーテンを開けて花に水をあげるとか、洗濯するとか、皿を洗うとか、散歩するとか、そういうことに私は喜びを感じるので。あと、昨年の秋にマレーシアの友人の農場に行って、それからもっと生活が好きになりました。現地の人たちと一緒に1週間働いて、もう1週間はヘリテージ(遺産)ツアーに出かけて。土が好きで、「わー生きてるー!」みたいな。そんな時間を大切にしたいですね。

 

撮影=榎本麻美/文藝春秋

きしい・ゆきの/1992年2月11日生まれ。神奈川県出身。2009年デビュー。2017年、初主演の映画『おじいちゃん、死んじゃったって』でヨコハマ映画祭最優秀新人賞、2019年の映画『愛がなんだ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2022年のNHKドラマ「恋せぬふたり」では、他者に恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれない「アロマンティック・アセクシャル」の主人公を演じるなど、個性的で堂々と生きるキャラクターを親近感たっぷりに表現し、共感を呼んでいる。初のフォトエッセイ『余白』も発売中。2023年、映画『ケイコ 目を澄ませて』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。4月30日(日)22時スタート「日曜の夜ぐらいは…」(ABCテレビ・テレビ朝日系)に出演。

ヘアメイク:村上綾
スタイリスト:秋田百合美
衣装協力:MM6 Maison Margiela/ANNE-MARIE CHAGNON/MANA 

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