「登場人物のセリフは少なく、ドラマチックな展開を見せるわけでもないこの映画に必要なのは心の動きの表現です。そこにイ・ビョンホンをはじめ表情で芝居できる方が出演してくれたことは、監督として本当に恵まれていると思います。彼がカメラの前に立ったとき、私は安心してこの作品を任せられると感じました」

イ・ジュヨン監督

 2月16日より全国で順次公開される『エターナル』。人生で躓いた男の眼に映る風景を描く本作は、イ・ジュヨン監督自ら脚本を手掛けた。

「英語にコンプレックスを持つ人が多い韓国では、経済的に余裕があれば奥さんと子供を海外に留学させたいと考える家庭が少なくありません。証券会社の支店長である主人公も、妻と息子をオーストラリアに住まわせるのです」

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 だが会社は突然の経営破たんに見舞われる。男は失意のなか妻子のもとへと向かうが、そこで起こる出来事は静かな上書きを重ねながら、やがてサスペンス性を強めていく。

「男は妻の秘め事を垣間見るのですが、人の心は簡単に窺い知ることのできないものです。このお話は悲劇ではありますが、決して人生を悔やむのではなく、辛いことに埋れがちな素晴らしい出来事があることを、もう一度思い出してもらえるような作品になってほしいと思っています」

INFORMATION

『エターナル』
2月16日より全国で順次公開
http://hark3.com/eternal/