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土屋守「これほどウイスキーを飲みたいと思った映画はない!」

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土屋守さん ©Kunihiko Ishijima

「英国人作家コンプトン・マッケンジーの『Whisky Galore(ウイスキーガロア)』を知らなければウイスキー通とはいえません(笑)。この小説は1947年に出版され、いまも読まれ続ける隠れたベストセラーで、49年には映画化もされたんですよ」

 ウイスキー文化研究所代表の土屋守さんが「これほどウイスキーを飲みたいと思った映画はない!」と素面(しらふ)で薦める『ウイスキーと2人の花嫁』。2月17日公開の本作は、49年版のリメイクだ。

「第二次大戦中の41年、英国リバプールから米国へ航行していたSSポリティシャン号がスコットランド西部の島の沖合で座礁した事故は、英国海難史上有名です。この事故で、積荷にあったウイスキー26万本のうち3万本を島民が持ち出した事実をもとに原作は生まれました」

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 戦時下、“生命の水(ウイスキー)”が手に入らず失意に暮れる島民を前に起きた座礁事故。すわと勇んで積荷を持ち出す島民、そして取り締まる役人との捕物劇がおおらかに描かれる。

「持ち出されたウイスキーに、今もオークションで100万円、200万円の値がつくことがあります。歴史を物語る浪漫そのものですからね。今年はシングルモルトが世界の市場に一般的に広まって30年の節目。だからこの映画との出会いも味わい深いことですねぇ」

INFORMATION

『ウイスキーと2人の花嫁』
2月17日公開
http://www.synca.jp/whisky/

土屋守「これほどウイスキーを飲みたいと思った映画はない!」

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