「トランプは秘密結社と戦っている」と主張するQアノンの黒幕は札幌にいた！　米議事堂襲撃を引き起こした“最重要人物”の正体

　2021年1月6日、米国民主主義の威光は地に堕ちた。暴徒と化したドナルド・トランプの支持者らが前年の大統領選挙に不正があったと訴え、米連邦議会議事堂を襲撃した事件。この前代未聞の騒動には、「Qアノン」と呼ばれるネットでの陰謀論から広がった政治運動が深く関わっている。

　発端は2017年。ネットの匿名掲示板に「Q」を名乗る正体不明の人物が突如現れ、

「世界は秘密結社が裏で操り、トランプは彼らと戦っている」

　という主張を始めた。謎めいた文章で綴られるQの投稿は拡散され、推理や深読みが加速。信者が急増し、やがて政治運動へと発展し、トランプ自身もQアノンの投稿をツイッターでシェアするに至る。

　では、この「Q」なる人物とは何者なのか。政府の機密情報にアクセスする権限「Qクリアランス」を連想させる匿名とされるが果たして……。謎多きQアノン運動の首謀者に迫ったドキュメンタリーが『Qアノンの正体／Q：INTO THE STORM』（U-NEXTで配信中）だ。物語は意外にも日本から始まる。Qが投稿する匿名掲示板「8チャン」の管理人は実は札幌で暮らしていた。そして、この人物こそ一連の出来事に深く関わる最重要人物なのである。

　監督のカレン・ホバックはQアノンがここまで拡大するなど誰も予想していない2018年から取材を始め、足かけ3年をかけてQの真相を追い続けた。

「Qの正体を暴けば、この運動を止められるかもしれない」

　だが、その思いも虚しく、Qが唱える陰謀論は新型コロナの感染拡大で社会不安が広がる中、急速に拡大。巨大な“嵐”となって議事堂乱入へと繋がってしまう。本作は最悪な事態を招くまでの知られざる内幕を詳細に描いていく。

「Qアノン・ムーブメントの真実は人々を打ちのめす」

　黒幕の内情に詳しい人物が暴露したツイートだ。まさに本作では拍子抜けするほど衝撃的な真相が明かされる。