「生涯現役を目指そう」とは思わない
――芸能界からの引退を考えることは?
ヒロミ 引退はまだわからないけど、ご苦労さんと肩を叩かれたら、「そうですね」って言うしか(笑)。「生涯現役で頑張ります」という気持ちはないですね。
――じゃあ、「還暦後はこういう路線でいこう」などのプランは?
ヒロミ なんにもない、ない(笑)。テレビの世界でもっと頑張って何かやりたいとかは、もう全然ない。それは若い人がやればいいし。
――世間には元気な高齢者もいっぱいいますが。
ヒロミ だって、テレビ局が気にするコア視聴率ってね、調査対象が49歳までなんですよ。僕らが見てようが見てなかろうが、何も関係ない(笑)。
だからここからは、「必要であれば参加します」くらいの感じで。
――意外と謙虚ですね。
ヒロミ だってね、僕らは雇われ業者だから。「まだまだ頑張ります!」「こんだけやれますよ!」と言ったところで、必要とされなければ仕事はこないのよ。だから、そんなに力を入れてもしょうがない。
――しがみつかない生き方ですね。
ヒロミ それはほら、なんとなく社会を見たというか(笑)。
僕は芸能界を離れた時期があったでしょ。だから、芸能の仕事がなくなっても、別のことをすればいいやと思ってるところは、どこかにあります。
芸能界より一般社会のほうが大変だった
――あの時期はほとんどの人が、ヒロミさんは実業家に転身したと思っていましたね。
ヒロミ そうね。僕は若いときから「辞めるのは悪いことじゃない」という考えなので、一度芸能界から離れることにも躊躇はなかったんです。「この仕事だけしかダメ」ってことはなく、人は意外といろんなことができるもんですよ。
――当時はスポーツジムの経営などに専念されている印象でしたが、一般社会は芸能界よりも気楽でしたか。
ヒロミ いや、それは全然違って。僕は40歳くらいまで、テレビで相当ワガママやってたでしょ。で、そのあと世の中に出てみたら、一般社会のほうが本当に厳しくて、大変だなと。