実はこれは「ヤクザが恫喝する手口」を示すために、相手が一計を案じて行ったデモンストレーションでした。本気で怒っていたわけではありません。しかし、そのやり方は大変リアルです。実際の場合も、最初に机を叩いたり怒鳴ったりして相手を怯ませたあと、とにかく言葉の揚げ足をとってまくしたて、相手が反論する機会や意思を削いでいきます。
「恫喝タイプ」には質問を繰り返す
多くの人はこのように恫喝されたら、頭が真っ白になってしまうかもしれません。
でも、それこそが相手の狙いです。「無理を通せば道理が引っ込む」ではありませんが、暴力的な言動で思考能力を奪って、理不尽な要求を飲ませたいと相手は考えています。
そういうときは同じフィールドで戦わないことです。相手が「無理」に訴えるのは、「道理」がないからにほかなりません。力で押してくるときは、徹底的に論理で対抗していきます。
対処法はシンプルで、「頷かずに質問を繰り返す」。これだけです。
相手がどんな難癖をつけてきても、最後には話をクロージングしなければなりません。「責任を取れよ」「誠意を見せろ」と言って、最後に金を要求したり、何かの書類を書かせようとしたりするわけです。
そこで私は、クロージングの話が出るまでは「ずっと何か言ってるな」と聞き流し、相手が話をまとめようとしてきたら「納得できないので、もう一度最初から説明して もらってもいいですか?」と質問します。「馬鹿か」「なめてんのか」と言われても、「そうではなく本当に理解したいんです」と何度もくり返し粘ります。
「本心から納得できれば喜んで言うことを聞きます。でも嫌がることを脅してやらせるのは犯罪ですよね。あなたは犯罪がしたいんですか。違いますよね。だったら、お互い納得できるまで話し合いましょう。私はとことん付き合いますよ」という感じですね。
相手は元々道理がありませんから、無理が通用しないとわかれば、要求を諦めざるを得なくなります。
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