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「金持ち」を誇示できるアイテムが憧れの的に
AirPods MaxはEarPodsと正反対だ。シンプルな美学で知られるデザイナー、ジョニー・アイヴがApple社を去ったあとの2020年に発売されたもので「Y2K」時代のiMacのような多色展開、存在感たっぷりな派手さを持つ。なにより、84,000円におよぶ高級品だ。
なぜ正反対のアイテムが流行ったかというと、正反対だからだろう。ファッションメディアTeen Vougeに言わせると「トレンドサイクルの完璧な例」である。
基本的に、ファッションの流行は逆張りになりやすい。安価でシンプルなEarPodsの人気が広まったなら、次は高額で派手なアイテムの魅力があがる。8万円もするAirPods Maxは、着用するだけで富、つまり「金持ちであること」を誇示できるステータスシンボルとして憧れの的となったのだ。
ただし、問題となったのは、やはり値段。直接身につけるステレオには、個々人に相性がある。流行っているからといって8万円も出して気に入らなかったら悲惨なことになりかねない。
実際、TikTokでは「値段のわりに音質が良くない」「ジムのワークアウトには重すぎる」といった後悔の告白もバズり「このクソヘッドホンを売りだすTikTok女子にまどわされるな」との警告まで発せられている。
結局のところ、若者のトレンドは、急速に変わっていく。世代を超えた教訓としては、ダサいダサくないといった流行りにあまり振り回されなくてもいい、ということかもしれない。