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帰省してわかった“新事実”

 もっとも、話はそれで終わらなかった。年末に帰省した斎藤さんは母親から新事実を知らされることとなる。じつは、弟は斎藤さんだけでなく母親からも約500万円を借金していたのだという。

「それもこれもギャンブルのせいです。借金返済のためといいながらミイラ取りがミイラになり、弟は競馬にどっぷりとハマっていたんです。私や母、消費者金融などに多額の借金をしても競馬をやめられないのだから、完全にギャンブル依存症だったのでしょう。

 このまま弟を放置していたら取り返しのつかないことになる。かといって私も母も弟に貸す金はもうありません。そこで私は恥を忍んで弟と一緒に資産家の叔父を訪ね、事情を話して頭を下げ、すべての借金を清算できるまとまったお金を貸してもらったのです」

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 ところが、弟のためにそこまでしたにもかかわらず、斎藤さんが貸したお金は1円たりとも返済されなかった。斎藤さんだけでなく、お母さんや叔父さんにもいっさい返済されないのだという。

「毎月1万円、いや1000円でもいいから返してくれれば、まだ誠意が感じられるのですが、弟には返す意思がまったくないんです。帰省時に親族が集まったときにその話をすると、不機嫌になって怒り出すくらい。今後はもう、弟と関わるのをいっさいやめます」

遺産相続をめぐる骨肉の争い

 斎藤さんのケースがギャンブルを原因とする親族間のトラブルだとすれば、それ以上に多いと思われるのが、親から相続する遺産をめぐって兄弟同士でもめる「骨肉の争い」パターンだろう。

 中部地方で設計関係の仕事をしている山崎研二郎さん(52歳)には2人の兄がいる。山崎さんは3人兄弟の末っ子だ。しかし、山崎さんは末っ子にもかかわらず、父親の死後に独居老人となっていた高齢の母親を引き取り、妻と2人で身の回りの世話をしていた。