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 そう聞けば、田島さんはお金の面で何ひとつ不自由しなかったと思うかもしれない。しかし、田島さんは大学入学直後から生活費すべてを自分で稼ぎ、つい最近まで奨学金の返済をしていた。

 というのも、田島さんの父親は金遣いが荒く、フィリピンパブのホステスに入れあげて推定数千万円ものお金を貢いでいたからだ。田島さんの学資保険や生命保険も解約されていたというから、あちこちに借金も相当あったに違いないだろう。田島さんが説明する。

「就職して3年目、奨学金の保証人になっていた叔父から『債権回収会社が奨学金の滞納分を払えと言ってきているぞ!』と僕に連絡がきたんです。そのとき初めて、父親が僕の学費を使い込み、これから300万以上の借金を返済しなければならないことを知りました」

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数年後、とんでもない出来事が…

 田島さんを襲った父親の金銭トラブルはこれだけではなかった。それから数年後、さらにとんでもない出来事が起きたという。

「僕の携帯にヤミ金業者から電話がかかってきたんです。『お父さんがうちの会社から金を借りているんだけど、いきなり連絡が取れなくなった。お父さんに連絡を取ってもらえないか?』って。

 なぜヤミ金業者とわかったかというと、2回目の電話から態度が豹変したからです。連絡を取らずに放置していたら、『お前、ナメてんのか!』『真面目にやらねえとテメエの会社に乗り込んで拉致するぞ!』『ブッ殺されてえのか!』とめちゃくちゃ脅されました」

 こうしたヤミ金業者からの電話が4〜5回続き、同じころに今度は実家にいる母親からも田島さんの携帯に電話がかかってきた。

※写真はイメージ ©iStock.com

「母の用件は『離婚して家を出るから荷造りを手伝って』というものでした。僕もその後、父親と絶縁しましたから、あのとき逃げ出した母の気持ちはよくわかります。本当、父にはウンザリです」

 田島さんのケースはやや極端だが、ギャンブルにしても遺産相続にしても、親族間における金銭のやり取りはトラブルになりやすいのは事実だろう。ゴールデンウィークに帰省して家族や親戚と顔を合わす際には、お金のやり取りをしないほうが無難といえそうだ。