統一地方選挙と衆参補選が全国各地で行われ、多くの悲劇喜劇が沢山報じられておりました。民主主義ばんざいと思うひとときであります。出馬された皆さん、また支えた方々も大変にお疲れさまでした。
岸田文雄政権においては、特に行われた5つの衆参補選で政権の行く末を占う向きも強かったのですが、結果は4勝1敗。落としたひとつも和歌山1区であって、過去同選挙区にて岸本周平さん(元国民民主党)に4連敗し、2021年衆院選では比例復活もできずに落選をしてしまった門博文さんの捲土重来だったところ、勢力を伸ばしてきた維新の林佑美さんに公示直後から競り負け濃厚というちょっと残念な結果となっておりました。
和歌山と言えば、みんな大好き俺たちの二階俊博先生の牙城であり、本来は同県参議院議員の鶴保庸介さんの擁立を見込んでいたところ、紆余曲折あって衆議院への鞍替えを目指す同じ和歌山県選出の世耕弘成さんが阻止。その結果、岸本さんに4連敗中の門さんの出馬となったうえで惨敗となったため、さっそく世耕さんが惨敗の責任をどう取るのかという話になってしまったのは物悲しい展開です。
ただでさえ10増10減で議席が一つ減る和歌山県、大物が並び立つには狭すぎるのかもしれません。二階さんの後継候補者や世耕さんの衆議院鞍替えは要注目であります。
高市さんが国会でブチ切れたことで銀座のママ議員誕生
惨敗とまでは言えなかったものの、奈良県知事選でも経済安保担当大臣にして自民党奈良県連会長でもある高市早苗さんが、知事5選を目指す荒井正吾さんを降ろす調整を上手く手掛けないまま子飼いの平木省さんを立てて、びっくりするほど保守分裂。その間隙を縫う形でこれまた伸びてきた維新の山下真に負けてしまうという事件が発生しました。高市さんの気持ちは分かるけど、ちょっと地元の組織運営が雑すぎるよね。
今回行われた大分参院補選で自民党公認で出馬の可能性があった礒崎陽輔さんが見送られ、代わりに出てきたのが銀座のママ・白坂亜紀さんでありました。と思ったら割と好感度が高くて現地の人に受け入れられて、対抗で出た立憲民主党のベテラン・吉田忠智さんを340票ほどの超僅差で破る大金星を挙げてしまいました。
もともと大分の自民公認は参院議員2期を務めた元総務官僚・礒崎陽輔さんと目される一方、立憲・小西洋之さんが国会で追及した安倍晋三政権での放送政策への介入事案で礒崎陽輔さんの暗躍を問題視する話だったはずが、なぜか高市早苗さんが国会でブチ切れたことで議員辞職するのしないので大騒ぎとなり、結果的に銀座のママ議員誕生へとスライドしていくあたりに政治の侘び寂びを強く感じるところでございます。
維新が「自民党ではない何か」を求める有権者の選択肢に
今回の統一地方選挙・衆参補選では、全体的に全国政党へと脱皮を進める日本維新の会の躍進が目につくところで、非常に貫徹した新自由主義的な経済政策が幅広い年齢層に受け始めているのかなとも感じます。