2017年までアイドルグループに所属し、脱退後は女優やモデル業、タレントとして活動している最上もがさんが初エッセイ『も学』(KADOKAWA)を上梓した。
未婚での妊娠発表の際に相次いだバッシング、子育て支援センターに泣きながら助けを求めた新生児期など、シングルマザーとして歩んだ激動の2年を振り返ってもらった。 (前後編の後編/前編から読む)
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あまりにひどいバッシングに、直接DMで返信したことも
――『も学』には、未婚での妊娠を発表したとき、バッシングが相次いだことも書かれています。どうやって乗り越えていきましたか。
最上もがさん(以降、最上) 当時は、「父親のいない子どもはかわいそうだ」といった一方的な価値観の押しつけや、決めつけによる誹謗中傷がたくさんネットに書き込まれていました。
最初は「私って悪いことをしているの?」と自分を責めてしまっていたんですけど、よくよく考えると、批判の内容は、まだ起きていない未来のことだったりするんですよね。「子どもがかわいそうだ」って、「あなたには私の娘の未来がわかるんですか?」って思い直して。未婚で妊娠することに対して「順番が」という人もいたけれど、それはあなたの価値観でしょう、と。
叩いてくる人は、自分の言葉が相手に届いている感覚がないんだと思うんです。だから、あまりにひどいDMには悔しくて直接、返事をしてしまったこともあります。
――相手の反応は?
最上 「その通りですよね、すみませんでした」みたいな返事が多かったです。メッセージに既読がついて、実際に本人から返事がきてはじめて「悪いことしたな」と思うんでしょうね。石を投げてくる人はきっと、何かに文句をつけたいだけなんです。
――最上さんはキャリアを通じて、「芸能人だからといって叩いていい人なんていない」「勝手に決めつけないで」と発信されています。
最上 言われてみれば、そうですね。ひどい言葉を浴びせられて傷ついたことは、一生、なかったことにはできません。ただ、産後はSNSを見る暇もあまり取れないですし、いっぱいいっぱいだったので、気持ちが紛らわせてよかったです。
いっときも目を離せない…ワンオペ育児のハードさ
――21年5月に出産を発表し、今お子さんは2歳になるんですよね。子育て態勢はどんな感じですか。
最上 実家のそばに住んでいるんですけど、両親とも高齢なのであまり頼れず、基本はワンオペです。特に最初の頃は時間が長く感じて、「一日ってなんでこんなに長いんだろう……」「早く一人でなんでもできるようになってほしい」と思ってしまっていました。