要は、何か悪いことをして子どもを孕んでるっぽいから「叩いてもいい人」だったけど、相手に振られてシングルマザーになったとわかった途端、今度は「かわいそうな人」に変換されたようです。
――誹謗中傷がなくなったのはよかったですが、腹だたしいですね。
最上 「最初から理由を言えばよかったじゃん」とも言われたんですけど、いやいや、と。
妊娠に至った事情がなんであれ、命を宿すことに賛否があること自体が私は理解できません。妊娠中にお腹にいる子どもの害になるような行動、たとえば飲酒したりタバコを吸う様子をわざわざSNSにあげたりしていたら、百歩譲って仕方がないのかなとも思いますが、そうでなければ、それは当事者たちの問題なんじゃないかな、と。
プレッシャーでもあるけど、人生の目標でもある
――今後、子育てをしながら仕事を続けていかれると思いますが、焦りなどはありますか。
最上 とてもありますね。生活や娘の将来のためにももっと稼がなければいけませんし、苦手なんですけど、iDeCoやNISAなど“お金”に関しての知識をちゃんとつけて上手に活用していかなきゃと思っています。そこの不安が少しでも減れば、笑顔になれる時間も増えると思っています。
――今、メンタルヘルスのために具体的に気をつけていることは?
最上 子どもができたことで養育費とか教育費とか、いろいろとお金がかかりますよね。プレッシャーでもあるけど、それが人生の目標、目的にもなります。誰かのために頑張ろうって思える方が、私は生きやすいかもしれません。
幼い娘にとって質の良い食事や規則正しい生活というのは、免疫力アップや睡眠にもとても良い影響があるとわかりました。自分のためだけだとやる気が全くでないですが、娘に合わせるおかげで生活リズムが整ったり、食生活も気をつけるようになったので、やっぱり娘の存在が私を元気にしてくれているなって思うんです。
写真=平松市聖/文藝春秋
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