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日本は既に「ギャンブル大国」大阪カジノより問題なのは…ギャンブル先進国のイギリスで賭博場が減っているワケ

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genre : ライフ, 娯楽, 社会, ヘルス

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イギリスはオンラインカジノの法整備に取り組んでいる

アダムさんは続ける。

「ギャンブルには中毒性があり、ゲームのデザインや大量の広告によって、弱い人が自分の賭けをコントロールし続けることが難しくなっています。企業は問題ギャンブルの発生を防ごうとスマートリミット(賭け金の上限)やアフォーダビリティ(支払い能力)チェック、行動分析を使うなど、対策はより洗練されてきています」

11歳の時に自閉症と診断されたアダムさんは父と英領ジブラルタルにあるゲーミングコンプライアンスとテクノロジーの専門会社と共同で、デジタルセラピーツールとして「ベットプロテクト」を開発した。ギャンブラーに小休止と安全な空間を提供し、自分の賭け事をコントロールできるようにするツールだ。ベットプロテクトは現在、ギャンブル業界全体に展開されている。

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「テクノロジーを活用すればカジノは問題にならない」

日本のカジノ解禁について、アダムさんの同僚で、ギャンブル業界のエキスパート、ポール・フォスター氏は「規制は、運営の枠組みやルールを作るため、プレイヤー保護の重要な基礎となるものです。これにより、ブラックマーケットのギャンブルを減らし、完全な課税とライセンスによる規制が可能になります」と指摘する。

オーストラリアはマネーロンダリングや依存症対策として「キャッシュレスカジノ」を目指している。「すべてのプレイヤーがサインアップからプレイまで監視されます。カジノ内の安全なギャンブルエリアが確保され、プレイヤーはギャンブルをエンターテイメントとして利用することができ、危険ゾーンから遠ざかることができます」(フォスター氏)

「立法者はプレイヤー保護を確実に実行するためにあらゆる選択肢を検討し、ゴールドスタンダード(絶対基準)を設定するためにテクノロジーを活用することが重要です。これが実行されれば、新しい統合型リゾートの創造は社会にとって有益なものとなり、ギャンブルの歴史的な問題を引き起こすことはないでしょう」とフォスター氏は提言する。

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