車は鉄の塊か、それともロマンの塊か。世間の理解など求めない、個性全開の車を愛してしまったオーナーたちの素顔やいかに⁉

 今回は、アメリカから輸入した警察車両を日本で維持する「イワマツ」さんをご紹介。

小さい頃の夢は警察官ではなく国土交通省勤務。現在は一般企業で会社員を務める

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前代未聞の「ポリスカー」個人輸入

 小学生の頃から、映画に出てくる警察車両が好きだったんですよ。とくに『ターミネーター』などのハリウッド映画では、派手なカーチェイスのシーンもありますし、当時からアメリカン・ポリスカーに夢中でしたね。

 なので、職業としての警察官というよりは、もっぱら車両の方に憧れがあったんです。小学生の頃の夢も、とくに警察官とは関係なくて……そのときは道路標識にハマっていたので、国土交通省に勤めたいと思っていましたね。

アメリカで実際に警察車両として使われていたフォード・クラウンビクトリア

 中学生になる頃から、ポリスカーに乗るために色々と準備をしはじめて。手に入れる方法も自分で調べて、向こうでは警察車両がそのまま公共のオークションに払い下げられることを知り、コレしかないと。それで2年ほど前に、満を持してこの車を落札したんですね。

 一番大変だったのは、これを日本で乗れるようにするための手続きでした。自分で輸入の手続きを踏んで、車検も通して。手続きの費用だけで100万円ほどかかり、実際に乗れるようになったのは半年後でしたね。そもそも日本にはない車種なので、まず型式の登録が必要だったんですよ。

ロサンゼルス郡保安局で使用されていた車両のようだ

 でも、苦労した分だけ、愛着も湧くと言いますか。今では本当に、手に入れてよかったなと思いますね。むしろ今回でノウハウがわかったので、そのうちもう1台買うのもアリかもしれません。

 ただ、これを買うと両親に伝えたときは、もう卒倒する勢いでしたね。最初は「アメ車買ったよ」とだけ話していて。その後、車が船に乗った頃に「どういうのが来るの?」と聞かれ、写真を見せたら「絶対にやめてくれ」と。今でも「ウチには絶対に乗ってくるな」と言われています。

パソコンは自身で用意したが、それ以外は警察が使用していたままの部分が多いという

 そういう世間の目もありますし、あまり取り回しのいい車ではないので、これに乗るのは休日のイベントくらいですね。やっぱり乗っていると、警察車両に間違えられることも多いです。周りの車が減速したり、道を譲られたり……そのたび申し訳なさを感じながらやり過ごしています。

好きが高じてアメリカから警察車両を個人輸入した「イワマツ」さん

 両親とは反対に、今交際している女性からは受け入れてもらっていて、イベントで一緒に保安官の格好をすることもあるくらいで。これだけ理解のある人にはなかなか巡り会えないと思いますし、本当に恵まれていると思いますね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。