「この人やわ!」と直感で思った
――「付き合いますか」と交際がスタートしたのではなく、気づいたら付き合っていた。
潤雅 2020年の夏あたりに、私が転がり込みました(笑)。当時、付き合っていた彼氏がいたんですけど、土日にライブをやるとなると「その夢、いつになったらあきらめるの?」とか「俺との未来はどうやって考えてるの?」とか言われちゃっていて。
でも、塩さんは「自分のやりたいことを一番に考えなさい」って人だったので。しかも時期的にコロナ禍で、「だからこそ、よけいにそういう気持ちを大切にしなさい」と言ってくれたり。そういうこともあって「この人やわ!」だなと。で、彼氏とお別れして塩さんのもとへ。
周りから“援交”とか“パパ活”とか言われて
――転がり込んだのは、裕さんの仕事部屋ですか。
潤雅 そうです。コンビニ弁当ばかり食べていたので、「大丈夫?」みたいのもあって。私は実家暮らしだったので、ちょっとした料理を持っていくようになりました。
そうこうしてたら、仕事部屋の隣の部屋が空いて。ふた部屋横並びで借りて、片方を完全にプライベートの部屋にして「一緒に暮らそうか」と。
裕 こっちとしては「本当にいいのか?」という感じでした。年齢の話はしたんですけども、歳の差は問題じゃないって言うんです。
潤雅 単純に一緒におれたらいいかなっていう。一石二鳥というか、プライベートも充実するし、音楽のことも逐一相談に乗ってもらえるような環境だったので。やっぱり周囲からは年の差に目を向けられたけど、私たちは35歳差っていうのは頭になかったですよね。
裕 感覚的に年齢差はなかったね。
潤雅 でも、やっぱり周りからは“援交”とか“パパ活”とか、いろんなことを言われて。
裕 お金持ってないです。
潤雅 私の母も父も反対はしなかったですけど「それならちゃんと籍入れておいたほうが世間的にもいいんちゃう?」って言われて。
――年齢差があるゆえに、お互いの知らなかった世界を知ることができたりは。
裕 それはありますね。お互いに知らなかった部分がたくさんあるので。音楽に関しては、僕は長くやってきたので「あの頃はこうやった」「この頃はどうやった」と実体験を踏まえて伝えることができて、潤雅からしてみれば知らない部分が多いので興味津々になるみたいです。実際、潤雅が生まれる前から盛んにバンド活動していたんでね。
逆にいまの音楽を僕はあんまり聞いていなくて、潤雅のほうが聞いているわけです。で、僕も曲を作るときは潤雅から最近の音楽について教わります。「いまはこういうことをやってるんか」って、めちゃくちゃ参考になりますね。
潤雅 そういった差はありますけど、ふたりとも白黒時代のジャズが好きなんですよ。根本的に好みが一緒で、一緒になんか聞こうかってときも自然にその頃のジャズを選んだりして。
音楽以外でも、食事や出かける場所の好みもどこか似てるから。ふたりとも「映画を見るよりも、山とか海に行こうか」という感じなんです。
裕 出かけた先で、どうやって飲もうかとかね。
潤雅 お互い飲むのが好きやから。