ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏の性加害について、現在の代表取締役社長の藤島ジュリー景子氏が「知らなかった」と釈明している問題。「週刊文春」がジャニー氏の性加害を報道し、ジャニー氏とジャニーズ事務所は名誉毀損で提訴したが、2003年に東京高裁で性加害が認定されていた。当時、取締役だったジュリー氏は、この裁判の結果を「知らなかった」と説明しているが、現経営陣がジャニー氏の性加害について把握していた疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。現在のジャニーズ事務所代表取締役で副社長を務めているジュリー氏の最側近が、裁判に出廷し、証人として証言していた。ジュリー氏は、前社長のジャニー氏と副社長だったメリー喜多川氏の二人以外、会社運営に関する重要な情報は知らなかったとしているが、現経営陣も性加害を把握していた疑いが強まった。
〈知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした〉
5月14日の夜9時、ジャニーズ事務所の公式HPにアップされた説明文書の中で、ジュリー社長はこう述べている。
ジュリー氏は1999年、小誌の14週にわたるジャニー氏による性加害のキャンペーン報道と、その後、ジャニーズが小社を名誉毀損で訴えた裁判の際には、既に事務所の取締役だった。その後、2003年に東京高裁でジャニー氏の性加害が認定され、最高裁で判決が確定したのが2004年のことだ。彼女は経営陣の一人として、この経過を見守ってきたはずだった。
それについてジュリー氏は文書でこう弁明している。曰く、ジャニー氏と、ジュリー氏の母であるメリー喜多川氏が事務所の全権を握っており、〈取締役会と呼べるようなものも開かれたことはありませんでした。本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました〉
本当に、彼女や他の役員など、現在のジャニーズ事務所経営陣は知らなかったのか。小社は1999年のキャンペーン記事後、ジャニーズへは“出禁”となった。ジュリー体制になっても、それは続いた。さらに小誌はジャニー氏やメリー氏が亡くなった時など、折に触れて性加害問題を報じ続けている。
ジュリー氏の最側近が週刊文春との裁判の証言台に立っていた
そして当時の取締役で、現在は副社長としてジュリー氏を支える白波瀬傑氏が、小社との裁判に深く関わっていたのだ。
2001年9月12日午前10時半、東京地裁。証言台に立ったのは白波瀬氏だった。そこで白波瀬氏は小誌の取材に、広報担当として自分が対応したと証言。さらに、原告(ジャニーズ)側弁護士の「文春の件に関してはなぜすべてについてあなたが調査しなかったんですか」との問いに、
「事実無根だと思っておりますので、調査する必要性はない」
と、語っていたのだ。