マイケル でも、現場で「ヤキソバンはそこまで強いわけじゃないんで、力を抜いていいですよ」という指示があっても、こっちはキメキメで、ビシッといきたい願望が心のどこかに残っている。
未練がましく、監督に「仕上がりはカッコよくなるんですよね？」「三枚目というだけよりも、キメるところはキメるというギャップがあった方がいいんじゃないですかね？」などと、それとなく囁（ささや）いたりはしてましたけどね（笑）。
――では、結構NGもあったんですか？
マイケル NGはあまりなかったと思います。何か自分として思うことはあっても、監督の頭の中にあるイメージ像をつかむためのコミュニケーションは重ねました。
今なら自分の意表を突くようなヒーロー像を提示されたら、それを面白がれるマインドがあるんですけど、そのころはまだキャパが狭くて、人間として小さかったなと思いますね……。ほんと、反省でしかありません。
恥ずかしくてオンエアも見られなかった
――最初、ヒーローを演じて女性にモテたい欲があったというお話でしたが、「ヤキソバン」の女性からの反響はどうでしたか？
マイケル 放送スタートしたばかりの頃は恥ずかしくて、オンエアもほとんど見ずにいたし、反響についてもなかなか直視できませんでした。「ヤキソバン見ました」と言われても、「どうだった？」と感想を聞く勇気がない。「そこに触れないでー！ 俺、いろんな仕事してるからぁー！！」って心の中で叫んでいました（笑）。
――でも、マイケルさんが逃げられないほど大きな反響があり、一大ブームになりました。そうなったときは、率直にどう思いましたか？
マイケル 想像以上に好意的な反響が寄せられたので、本当にびっくりしました。この仕事に携われたことが幸せで感謝だし、ヒーローもので女性にモテたいなんていう下心があった自分が恥ずかしかったです。でも同時に、何か違うドアが開いたことを実感しましたね。その後に来る仕事の幅も、ずいぶん変わっていきました（＃2に続く）。
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