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 いま、韓国と中国の日本アニメ歴代興収の1位が『すずめ』で、2位が『THE FIRST SLAM DUNK』ですよね。でも、僕以外の人が『すずめ』を出したり、井上雄彦さん以外の人が『THE FIRST SLAM DUNK』の監督を手掛けていたら、ここまで当たらなかっただろうと思います。

ーー創作活動の積み重ねが、メガヒットに繋がったと?

新海 内容も大事だけど、「あの監督の作品だ」とか「これ、漫画でずっと読んできたやつだ」といったものもすごく大事なんだなと感じます。僕やその前の偉大な先人の方々がコツコツとやってきたこと、種をまいてきたこと、その積み上げがアジアにはあった。いまは、それが花開いている状態なんだと思います。

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©山元茂樹/文藝春秋

 たとえば「ジャンプ」のIPものは、テレビでアニメは何度も放送されてきて、漫画が何千万部と読まれてきて、そして劇場アニメとなって、みんなが見る。『呪術廻戦』も『ワンピース』も『ドラゴンボール』も全部そうだと思うんですよね。積み重ねがあってこそ。アジアにおいて、日本はそれをじっくりやってきたんですね。

 これが欧米になると、アジアと比べて積み上げがグッと少なくなる。まだ日本のアニメーションというものが欧米などの地域でマイナーな存在なのも、そこが理由だと思います。それでも、確実に変わってきてはいますけれども。

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